クラフトビール初心者からマニアまで全てのビール好き必見!

 ビールをとことん知りたい、そしてガンガン飲みたい人のための書籍『エンジョイ!クラフトビール 人生最高の一杯を求めて』から、クラフトビールを楽しむ基礎知識とおすすめクラフトビール情報をお届けします。


「クラフトビール」ただのビールとどう違うの?

 クラフトビールは、英語圏では主に、少量生産で、質のよい材料を使い、細部にまでこだわったビールを指しますが、じつは、日本でははっきりとした定義はないのです。

●クラフトビールとはブルワリーがこだわってつくったビール

 日本ではもともと少量生産でつくられたビールを指す言葉として、「地ビール」という言葉が使われてきました。しかし最近は、「クラフトビール」という言葉もよく使われるようになってきています。

 とはいえ、各地で醸造された少量生産の「地ビール」が必ず「クラフトビール」だというわけでもないし、逆に大手ビール会社が大量生産したビールはクラフトビールではない、というわけでもありません。

 僕の考えるクラフトビールの定義は、「小〜中規模のブルワリーでこだわってつくられたビール」のことかなと思っています。

●ビールの種類はなんと150種類以上!

 日本は4大ブルワリー(アサヒ、キリン、サントリー、サッポロ)での生産が、国内で消費されるビールの99%を占めています。たまに黒ビールも登場しますが、そのほとんどが、アルコール度数が5%程度のピルスナースタイルのラガーです。

 だから日本に住む人の多くが、ビールは「黒か白」と思っているのではないでしょうか。でもビールは、虹みたいにもっといろんな色があるもの。ちなみに英語圏で虹は、金の壺から出ていて、その金の壺を見つけると幸せになれるって言われているんですが、いろいろな色のビールを見つけたら、幸せになれちゃうかもしれませんよ。

 じつは、ビールの種類は150種類以上もあるんです(The Brewers Association, 2016参照)。毎日1種類ずつ飲んでも半年以上かかるくらいの種類があるんですよ。ブルワリーは日々新しい味をつくっているので、本当のところは何種類あるのかわからないほど。

2020.11.24(火)
文=スコット・マーフィー、岩田リョウコ
撮影=釜谷洋史