古くは薬代わりとしても重宝されたハーブとスパイスをお菓子にひとさじ。体を温めたり、免疫力や抗酸化力を上げたり、リラックスできたり―。

 食べる幸せに“効能”が上乗せされます。本格的な冬に備え、体と心を支える「5つ」の甘いものレシピを菓子研究家の長田佳子さんに教わりました。


#1 はちみつ酒で冬の免疫づくりを「ミード」

 手軽につくれるミードは乳酸菌のような味わい。

 はちみつパワーで喉の痛みや免疫力低下を改善。

●材料(2~3人分)

・はちみつ:45g
・水(浄水やミネラルウォーター):大さじ6
・ドライイースト:0.5g
・好みのフレッシュハーブ:5g

●つくり方

(1) 消毒した保存瓶にはちみつ、水、ドライイーストを入れてよく混ぜ、ハーブを加える。ふたをして常温で半日おく。

(2) ふたを開けてシュワッとして味がなじんでいたら完成。

#2 安眠を誘う安らぎのひとときに「ラベンダーソイ」

 ラベンダーの香りで心が浄化されリラックス。

 豆乳とカシューナッツの効果で美肌&貧血解消も。

●材料(1人分)

・調整豆乳:200ml
・カシューナッツ:10g
・ドライラベンダー:ひとつまみ

●つくり方

(1) 小鍋に材料をすべて入れ、30分おいてカシューナッツをふやかす。

(2) 弱火にかけ、沸騰したらラベンダーを除く。熱いうちにブレンダーでなめらかにして仕上げる。仕上げにドライラベンダー(分量外)を散らす。

#3 風邪に負けない元気な体に「カルダモンホワイトチョコレート」

 消化を助け、抗ウイルス作用のあるカルダモン、血流改善に効くオレンジとくずの働きで風邪対策。

●材料(1人分)

・カルダモンシード:2粒(粉末少々でもOK)
・牛乳:120ml
・くず粉:ひとつまみ
・ホワイトチョコレート:15g
・ブランデー:小さじ1
・ホワイトペッパー:ひとつまみ
・ドライオレンジピール:ひとつまみ

●つくり方

(1) カルダモンシードは皮をはずして種をすりつぶす。牛乳と一緒に小鍋に入れ、弱火にかける。

(2) 沸騰直前にくず粉を加えて1分ほど煮る。刻んだホワイトチョコレートも加え、泡立て器で混ぜ、さらにブランデー、ホワイトペッパー、オレンジピールを加える。火を止めて完成。

長田佳子(おさだ かこ)さん

菓子研究家。1977年生まれ。三重県出身。老舗フランス料理店、YAECAのフード部門「PLAIN BAKERY」などを経て、「人を癒すお菓子を」という思いから、2015年に自身のブランド「foodremedies」を立ち上げ、菓子研究家に。著書に『全粒粉が香る軽やかなお菓子』(文化出版局)など。

寒い一日、体と心に効く
ハーブとスパイスのお菓子

2020.10.31(土)
Text=Asami Kumasaka
Photographs=Nao Shimizu
Styling=Makiko Iwasaki
Recipe=Kako Osada(foodremedies)
Cooperation=UTUWA

CREA 2020年11・12月合併号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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様々な業界で活躍する人たちの人生を支えてきた習慣とは? 大切にしている美の価値観とは? 時に悩みながらも、美容を通して“自分らしさ”に真摯に向き合ってきた“あの人”に取材。そこから見えてきたのは、揺らがない自分でいるための美容でした。