●同時期公開作では 大胆なラブシーンも披露

――本作では、どんな新たな水野さんが観られると思いますか?

 まずは、サッカーひと筋だった僕が元野球選手を演じているという面白さもあります。また、このコロナ禍の自粛中に、自分と向き合う時間が増え、周りの人間関係が変わってしまったかたも多いと思うんです。

 そのなかで、この作品を観ることによって、近くにいて、助言してくれる人の有り難さみたいなものに、改めて気付かされる作品になっていると思います。

――また、同時期に公開される『悲しき天使』では、遊郭に流れ着いた青年・茂を演じられています。大胆なラブシーンもありましたね。

 僕にとっての役者業は、グループで出せないものを出す場であり、パブリックイメージを壊せるものだと、常に思っているんです。

 『悲しき天使』は、まさにそのような作品ですし、森岡利行監督が20年ぐらい舞台で上演してきた思い入れのある作品を映画化するにあたり、僕に茂役を託してくれた嬉しさも大きかったです。

 観ていただければ分かると思うんですが、ラブシーンに関しては、切なくて悲しい。胸にズンッと突き刺さると思います。

2020.07.17(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘