#199 Sado Island
佐渡島(新潟県)

 新潟県の佐渡島は、アルファベットの「Z」や、雷マークに似た形。北に1,000メートルを超す大佐渡山地、南に小佐渡山地、2つの山地をつなぐように、その狭間に国中平野が広がっています。

 面積は、東京23区や淡路島の約1.5倍の約855平方キロメートル、海岸線は約280キロ。日本の島の中では沖縄本島に次ぐ大きさを誇ります。約1万年前から人が暮らし、『古事記』や『日本書紀』の国生み神話にも登場しています。

 佐渡島へ行くきっかけは、「二ツ亀」という海岸と、「面白い宿があるんですよ」の口コミ。「佐渡島といえば……」で名前があがるような佐渡金山や鳥のトキなど、王道的な目的というより、どことなく変化球的な動機でした。

 島の北端近くにある二ツ亀は、佐渡弥彦米山国定公園内にある名勝です。その名のとおり、2匹の亀が並んでうずくまっているような形をした、小さな島です。

 二ツ亀海水浴場は 「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で2ツ星を獲得、環境省の認定する「快水浴場百選」のひとつでもあります。

 二ツ亀は満潮時には島ですが、干潮時には砂の小道が浮かびあがり、歩いて渡れる“トンボロ現象”で知られています。そして時期によってサンライズとサンセットが眺められることもポイント。

 けれど訪れたのは、冬。観光客は他に1、2組。日本海からの冷たい風に吹き曝されながら、海にのびた細い道を歩くと、どことなくうら寂しい。けれど砂の道の両側に迫る海を覗くと、きれいな瑠璃色。夏の強い太陽光線を受けたら、さぞや輝くのだろうと想像できます。

2020.07.04(土)
文・撮影=古関千恵子