暮らしの達人が日頃愛用している道具や家具をじっくりと拝見する連載「暮らしのMY BEST」。

 ご登場いただいた方の目を通して選ばれたものたちが、快適な暮らしにどう役立っているのか、その魅力をひもときます。もの選びの参考にぜひ!


触ったときに気持ちがいいと、長く使い続けられる

◆Case02 石川敬子さん(FILE代表)

 都内の閑静な住宅街。趣のある2階建ての一軒家が、石川敬子さんが代表を務める「FILE」のオフィス兼ショールーム。さらに石川さん夫妻のご自宅でもあります。

 スタッフ同士やお客様との打ち合わせが行われるのは、オープンキッチンのリビング。

 北欧の名作チェアや照明など、石川さん自身が好きで取り入れているインテリアアイテムを、お客様が実際に見て選ぶこともできる、住職一体のスタイルです。

 このキッチンで1日3食、スタッフの分も含めて食事を作っている石川さん。使ってみていいと思ったキッチン道具は、オンラインショップでも販売しています。

 「今、一番活躍しているのがこれです」と教えてくれたのは、フランスの「リュミナルク」というブランドのスチーマー付両手鍋でした。

1台で何役もこなす「VITRO」の両手鍋。上下で2品調理!

 リュミナルクが展開する「VITRO」というシリーズのスチーマー付両手鍋。下が鍋、上がガラス製スチーマーの2段になっています。

 「使う頻度が高いので、常にキッチンに出してあります。蒸し野菜などが手早くできるので朝ごはんにもさっと温野菜が出せます。水の代わりに下の鍋でスープを作り、上のスチーマーにブロッコリーなどの野菜を入れて火にかければ、蒸されたブロッコリーの栄養分がスープに落ちて、一石二鳥なんです」

 ということは、下の鍋でシチュー、上のスチーマーで付け合わせの温野菜作りなどもOK。これ一つで夕飯のメインとサブのおかずができてしまうとは、なんと便利!

 「ガラス製で中が見えるから、野菜の色で火の通り具合も確認できます。残ったらこのまま冷蔵庫に入れられるし、食卓にそのまま出せるデザインもいいんですよ」

 鍋は、つるんとした手触りと光沢が美しいガラスセラミック。IH、直火のほか、電子レンジやオーブンにも使えます。

 「収納もコンパクト。スチーマーの上に鍋を置き、蓋を上下逆にしてのせれば高さ11cmほどにおさまります」

 蒸す、焼く、煮る、揚げるまでこなし、収納もしやすいとは。毎食活躍し、手放せなくなるのも納得です。

 次は、こちらも石川さんが絶大な信頼を寄せている鉄のフライパンです。

2020.04.27(月)
文=前中葉子(BEAM)
撮影=平松市聖