昨今、話題のBL(ボーイズラブ)作品たち。国内の映画・ドラマ界でも、テレビドラマ『おっさんずラブ』や『きのう何食べた?』などの人気作品が登場し、地上波でも描けるジャンルに成長してきました。

 国内ではマンガから定着したこともあり、「BL」というとちょっと過激なイメージを抱かれるかもしれませんが、その内容は今や多岐にわたります。今回は、BL=男性同士の恋愛を描いた「美しい映画たち」をピックアップしてご紹介します。


#01『君の名前で僕を呼んで』

風景描写、セリフ、キャラクター 隅々まで美しい作品

 初めて、本物の“恋”に触れた青年の心模様を繊細に描き、映画賞の最高峰である米アカデミー賞で脚色賞に輝いた傑作。

 1980年代の北イタリアを舞台に、17歳のエリオ(ティモシー・シャラメ)と24歳のオリヴァー(アーミー・ハマー)が惹かれ合っていくさまを映し出します。

 まだまだLGBTQが市民権を得ていなかった時代で、自らの感情に背徳感をおぼえるオリヴァーと、無垢が故に恋心にまっすぐなエリオ。想いは同じでも、向いている方向が異なるふたりのすれ違いが切なく、心に染みていくことでしょう。

 日本公開時にパンフレットが完売になるなど、国内でも大きな話題となりました。

 風のさざめきすら儚く感じさせる風景描写、セリフではなく表情で魅せる心情表現、物語を彩る旋律、そして何よりシャラメの神々しいまでの美しさ……。隅々まで完璧な作品です。

君の名前で僕を呼んで

Blu-ray&DVD 好評発売中
©Frenesy, La Cinefacture
発売元 カルチュア・パブリッシャーズ
セル販売元 ハピネット
価格 3,900円
※TSUTAYA TVほかにてデジタル配信中

2020.04.27(月)
文=SYO