#194 Amami Oshima
奄美大島(鹿児島県)

 鹿児島と沖縄本島のほぼ真ん中に浮かぶ奄美大島は、“東洋のガラパゴス”と呼ばれています。

 ん? “東洋のガラパゴス”といえば、小笠原や西表島も、そう呼ばれているはず。

 ガラパゴスとは、どの大陸とも陸続きになったことがないエクアドル領の島々。生物が独自の進化をたどったことで知られています。

 そうした固有種の多い島を、“東洋のガラパゴス”と形容するのだそうです。“東洋のガラパゴス”、ひとつではなかったのですね。

 奄美群島は地殻変動によって本土とくっついたり、離れたりを繰り返し、そのおかげで固有種が豊富。

 そのため島の面積は日本の国土のわずか0.3%ながら、生息する生物種は国内全体のなんと約16%も。

 島全体が国立公園として守られ、世界遺産の候補にもあがっているネイチャーアイランドです。

 奄美群島は国土の0.3%。けれど、想像以上に大きい奄美大島。

 沖縄本島、佐渡島に次いで、日本で3番目に大きな島です。今回目指した奄美大島の南端のヤドリ浜へは、空港から車で約2時間かかります。

 空港周辺は比較的平坦なのですが、南下するにつれ、山がちな地形に変わっていきます。いくつものトンネルを抜けて、たどり着いたのが、穏やかな光に満ちたヤドリ浜。沖の正面に山が幾重にも重なった加計呂麻島を望み、背後にも緑深い山が迫っています。

 この入り江には「THE SCENE」というリゾートが1軒あるのみ。

 リゾートの母体はストレッチやヨガスタジオなど、ウェルネス産業の先駆者的存在。ダイバーであるオーナーがダイビングで訪れたこのロケーションに惚れ込み、「ウェルネス・ツーリズム」のキャピタルとなるべく、このリゾートを築いたそうです。

2020.04.11(土)
文・撮影=古関千恵子