台湾内では知らない人はいないぐらい有名な「電鍋」。

 名前だけを見ると何? 何? という感じかと思いますが、台湾では一家に一台あると言われているほどメジャーな調理器具なんです。

 ちなみに台湾のコンビニは八角のにおいが充満していますが、そのにおいの正体である茶葉蛋(茶色い煮卵)が入っている鍋も電鍋です。

そもそも電鍋って何?

 まずはどんな調理器具なのか、簡単にご紹介。基本の機能として蒸す、煮る、炊くを一台で行え、しかもスイッチをONしたら放置でOK。調理が楽ちんなのも魅力です。

 使い方としては、まず外釜に水を入れてからスイッチをオン。すると電気で水が加熱され、蒸発します。

 水が蒸発し終わって、ある一定の温度まで上がったらスイッチが勝手に切れます。火を使わないので火加減調整の必要がなく、調理時間は外鍋に入れた水の量で決まります。

 調理の際にやることといえば、材料の下ごしらえとスイッチを押すだけ。手のかからない優れものなのです。

 「蒸す」「煮る」「炊く」の各調理方法で作れる代表的なメニューはというと、「蒸す」は茶碗蒸し、野菜や肉魚の蒸しものやホイル蒸しなど、「煮る」は煮卵、魯肉(豚そぼろの台湾風煮込み)、各種スープなど、「炊く」は、ご飯を炊くのももちろんですが、おこわなども作れます。

 さらにアレンジをすれば調理の幅が無限に広がるのも、電鍋の特徴です。

2020.03.10(火)
文・撮影=矢作晃之