イギリスのお菓子を日本で広めたい

ブロードハースト・ピーター・ジョンさん

 ピーターさんは、1971年、イギリス・レスター生まれ。スイスでお菓子作りを学んで、1ツ星のカントリーホテルや英国王室御用達「ナデルパティスリー」などを経て、2002年に同じく菓子職人の奥様・敦子さんとお店をオープンしました。

「イギリスのお菓子を、日本で広めたい」と、自身が小さい頃から食べてきたイギリスのお菓子を作っています。日本でもすっかりお馴染みになったスコーン、カップに入ったトライフル、ショートブレッドやジンジャークッキー……。どれもシンプルで素朴な味わいで口溶けもよく、一度食べたら虜になってしまいます。厳選した素材を使ってていねいに作られているからでしょう。何より、スコーン以外は、他のお店ではほとんど見られないものばかり。

「イギリスでおやつといえば、ビスケット。どの家にもビスケット・ティンと呼ぶおやつ缶があって、中にいろんな種類のビスケットが入っています。なにせ、1日6回、お茶の時間があるから(笑)。1週間に1回、お母さんがドライフルーツを入れたフルーツケーキを焼いてくれます。お茶とお菓子の時間はとても大切なんですよ」とピーターさん。

 特に日曜日は「サンデー・ロースト」と呼び、ローストビーフやローストチキンを焼くのだそう。その時、熱したオーブンの余熱でスコーンを焼きます。「日曜日のアフタヌーンティーは、焼き立てのスコーンに、まずジャムを塗って、その上にクローテッドクリームをたっぷり塗って食べます。スコーンは焼いたその日がおいしい。だからお店でも、その日に焼いたものしか出しません」。

写真奥:マーガレット 180円、写真手前:プルーンケーキ 170円

 ピーターさんが作るビスケット「マーガレット」は、スコーンに近い生地で、小麦粉もイギリスと同じように重めの北海道産を使用。自家製のラズベリージャムで描いたニコちゃんマークに、思わずほほえんでしまいます(このデザインはピーターさんのスタイル。伝統のものではありません)。食べると食感も風味もなんだか懐かしい。「本来は花形のもの。お母さんがよく作ってくれたお菓子なので、お母さんの名前をつけました」とにっこり。「プルーンケーキ」は、イギリスの家庭でよく焼かれているもの。プルーンを紅茶に漬けて置き、翌日パウンドケーキ生地に入れて焼き上げます。「どちらも、たっぷりのミルクティーで、どうぞ!」。

 ピーターさんがていねいに作っているイギリスのおやつ。シンプルで素朴で、大好き!

BROADHURST'S
住所 大阪府大阪市中央区玉造2-25-12 
電話番号 06-6762-0009

 

Column

そおだよおこの関西おいしい、おやつ紀行

生まれも育ちも神戸の生粋の神戸っ子で、長年の関西での取材経験からおいしいお店を知り尽くしている、ライターのそおだよおこさんが、関西の「今、食べてほしい!」というおやつを紹介します。

2012.10.16(火)