「ハンドカット・ステーキ・タルタル」は絶品

テーブル、カウンター、テラス席と、座る場所によって異なる用途で使い分けができる。

 ステーキハウスなのに、このカウンター席に座ってアペタイザーとワインだけでひとりチビチビやる、なんつうのもできちゃうのが、この店のいいところ。なんせテーブル、カウンター、テラス席と、座る場所によって異なる用途で使い分けができるので単純なステーキ屋さんというだけではくくれない感じが、お客の心を揺さぶります。

 それはメニュー構成にも出ていて、まずパン代わりにお替り自由で出てくる「ガーリック」「ハーブ」「フリカケ」の3種別々の味のフライドポテトに、これまた「トリュフアイオリバター」「スリラッチャケチャップ」「とんかつソース」の3種異なったソースを自分の好みで使い分けていただく、お通し的な画期的なポテトセット。

お替り自由の「フライドポテト」と、人気メニュー「コナ ロブスター タコス」。

 流行りのフュージョンメキシカン的な人気メニュー「コナ ロブスター タコス」、そして 見た目も鮮やかにレタスを4つ切りにしたまさにサラダ界のタワーリングインフェルノ「BLTウェッジサラダ」。

「BLTウェッジサラダ」と、新鮮で癖のない絶品生肉「ハンドカット・ステーキ・タルタル」。

 そしてここに来たら絶対にオーダーしてほしい、新鮮で癖のない絶品生肉「ハンドカット・ステーキ・タルタル」!!

 タルタルというだけでも未だ日本ではいただけないので興奮してしまうのに、ここのは調合具合も、ソースも、付け合せも、どれも完璧でありまして、とてもハワイとは思えないほどの絶妙とも言える繊細な味わいに、白ワインが止まりません!!

 さらに今回はお腹いっぱいになるのを恐れてオーダーしませんでしたが、ココはステーキハウスだというのにやたらとシーフードにも力を入れておりまして、その中でもわざわざ専門の職人さんを抱えてもてなす「巻き寿司」系は特にオススメとのこと……。

 つまり、アペタイザーがやたらと充実しているが故に、お肉を食べなくてもカウンター席でふたり肩を並べて、しっぽり愛を語れるだけのシチュエーションが存在してしまうわけでありまして、やはりただのオーソドックスなステーキハウスとは一線を画す、バブリーな香りがプンプンとするところが、実に我々世代の心を揺さぶるわけであります!!

 なんつったって80~90年代を駆け抜けてきた僕らとしては、やはりラスベガスやマイアミで実際成功してきたこの店のように、ゴージャスで非現実的な真の「THE AMERICA」的スポットには異常なまでの憧れを持っていたわけですし、それが今やこんな小さな「ハワイ村」にバンバンやってくる、なんつうことは、昔から考えたらまさに夢のような大事件なわけですからねぇ~。

2016.10.27(木)
文・撮影=小川カズ