【秋の食材】里芋

 「里芋」という名前は、山で採れる山芋に対し里で採れるところから来ています。原産はインド東部からインドシナ半島で、日本へは中国を経て縄文時代に渡来したと言われる、歴史ある野菜です。特有のぬめり成分はムチンと呼ばれ、粘膜を保護する働きやタンパク質の消化・吸収を高めて胃腸の働きを助ける作用があります。

 マクロビ的には中国の陰陽五行説をベースに「辛み」に分類される食材で、肺炎や気管支炎などに消炎作用があるとされ、その効果を保つためにはぬめりを残して調理することがポイントとなってきます。また陰性と陽性の中間のエネルギーを持つと考えられており、合わせる調味料を陽性のものにすると体を芯から温めてくれる食材になります。

 空気が乾燥して風邪の流行する季節となりました。あれ? 風邪かな?? と思ったら、ビタミン補給と温かい里芋料理で早めに風邪対策を!

◆「里芋」のマクロビレシピ

里芋の味噌田楽

 里芋を使ったマクロビレシピ。ねっとりとした食感が美味しい里芋を丸ごと蒸してから皮をむき、甘辛い田楽味噌をのせて仕上げます。

» レシピをみる

里芋のクロケット

 ねっとりとした食感が美味しい里芋を丸ごと蒸し、皮をむいて潰してタネにした、クロケットの作り方を紹介します。和の食材ですが、シャンパンや辛口の白ワインとの相性も抜群です。

» レシピをみる

里芋と湯葉の蒸し碗

 里芋を蒸し、ぬめりを残してペースト状にしたものを丸めて団子状に。さらに煮付けた大根やしいたけ、かぼちゃを湯葉とともに蒸し上げる、ひと手間かけた料理を紹介します。

» レシピをみる

2016.10.16(日)
文=中村恭子
撮影=秋元良平