「トッキュウジャー」学校での1年間

――その後、13年に出演したドラマ「リアル鬼ごっこ THE ORIGIN」で演じることに目覚めたそうですね。

 その前に「仮面ライダーフォーゼ」に出演させていただいたんですが、カメラの前でただセリフを言うのが精一杯で、ほかに何もできなくて反省だらけだったんです。「リアル鬼ごっこ」にはメインの一人として出演させていただいたのですが、俳優として、バミリの位置からいろいろ教えていただき、主演の(本郷)奏多くんのお芝居に圧倒されたことで、「僕もお芝居をもっとやりたい」という気持ちが強まりました。

――そして、トッキュウ4号/ヒカリ役を演じた「烈車戦隊トッキュウジャー」で大きな転機を迎えますが、この1年で学んだことや自身における大きな変化はありますか?

 1年間、同じ仲間とスタッフさん、そして同じ役とずっと向き合うことは、なかなかないと思うんですよ。ずっと個人競技でもある空手をやってきたので、みんなで協力して一つの作品を作り上げていくことは刺激的で、いろいろ経験させてもらいました。そして、厳しく愛のあるカメラマンさんとの出会いは大きかったです。出会って、すぐに「この現場は、1年間学校に通うのと同じこと。この学校でいろいろ挑戦して、失敗して、ここを卒業してからが本番」という言葉をかけてくださったんです。この言葉がずっと印象に残っていて、僕自身もいろいろ挑戦する、攻めていく勇気みたいなものをもらいました。

――そのなかのエピソード「カラテ大一番」は、横浜さんの要望で実現したとのことですが、その経緯を教えてください。

 トッキュウ1号が空手を学んでいる設定だったので、脚本家の方に「僕も空手をやっているんですよ!」と熱く語ったら、僕のために空手をテーマにしたエピソードを書いてくださったんです。また、アクション監督の方にも、「ここで後ろ回し蹴りを取り入れるのは、どうですか?」と空手をできることをアピールしたこともありました。とてもアットホームな現場で、みなさんと仲良くさせていただいたので、物怖じせず言いたいことを言えたんだと思います。

2016.05.13(金)
文=くれい響
撮影=山元茂樹