Magnificent View #888
チチカステナンゴ(グアテマラ)

(C)Robert Harding Images / Masterfile / amanaimages

 グアテマラの標高2000メートル弱の山岳地帯に位置するチチカステナンゴは、この国最大級のメルカド(市場)で知られる場所。市が立つ木曜日と日曜日には、周辺の村々から、たくさんのマヤ族の人がやって来る。

 露店の八百屋や肉屋、花屋、唐辛子屋、雑貨屋がひしめくなかを歩くのは、鮮やかな民族衣装をまとった人たち。刺繍やビーズを施したものなど、村ごとにデザインが異なるため、その色彩は目がくらむことに鮮やかだ。

 メルカドで最もよく見かける食材といえば、実をほぐして乾燥させたトウモロコシ。トウモロコシの粉をクレープ状にして焼いたトルティーヤは、彼らの主食でもある。メルカドの中には食堂もあって、熱した石の上ではトルティーヤが焼かれていたり、鍋では豆が煮込まれていたり。

 めいっぱい野菜を入れた籠を頭に乗せて歩く人が行き交うメルカドは、庶民の台所。ここは、マヤの人々の日常を垣間見られる場所でもある。

Column

今日の絶景

この広い地球上には、まだまだ知られざる素晴らしい景色がある。思わず息を飲んでしまう雄大な自然、ミステリーにあふれた驚きの奇観、そして、人間の文明が刻んだ偉大な足跡……。ここに、選りすぐりの絶景をお届けします。さあ、ヴァーチャルな世界旅行へと出かけよう!

2016.03.06(日)
文=芹澤和美