茶房でいただける定番・限定メニュー

左手はショップ、右手は茶房。代表銘菓「柚餅」の商品名を緑青胡粉押で書いた欅の看板は、本店の大看板と同じデザイン。

 さて、「菓遊茶屋」の席から後ろを振り返ると、茶房とショップから成る店内は、日本的な美意識が満ちた和の世界。天井の高い開放的な空間では、愛宕石や和紙などの天然素材が、しっとりと落ち着いた雰囲気を醸し出しています。窓外の桜が花開く頃に訪れたら、つい長居してしまいそう。

「菓遊茶屋」の後ろに位置する「庭席」。内装は京都の宮崎木材工業が手がけた。

 また、「菓遊茶屋」の後ろの奥まった位置には、「庭席」という静かなテーブル席も用意されています。一方の壁には床の間風の空間を設け、もう一方の壁には唐紙の背後から光を当てて月の満ち欠けを演出するなど、さりげなく風流なセンスも素敵。ここでも、茶房のメニューを楽しむことができます。

茶房の定番メニュー「あんトースト」1,188円。ポットサービスの和紅茶付き。

 茶房の定番メニューは、マスカルポーネチーズを塗った食パンにあんをのせ、抹茶パウダーをふりかけた「あんトースト」。ふわりと柔らかなトーストの上では、マスカルポーネチーズのコクと塩気と、あんの甘さが絶妙にマッチ。セットで出される「京都宇治産紅茶」のやさしい香りとの相性も、抜群です。

茶房で楽しめる3月末までの季節限定メニュー「いちご抹茶パフェ」1,188円。

 茶房には季節限定メニューもあり、「いちご抹茶パフェ」もそのひとつ(3月末まで)。上品な甘さの粒あんの上には、抹茶とバニラのアイスクリーム、白玉、抹茶の寒天、イチゴ、ホイップクリーム、そして小さな最中の皮がのっています。アイスクリームで体が冷えたら、この最中の皮をかじって、京番茶をいただきましょう。

 「鶴屋吉信」では香りも味もスモーキーな京番茶がサービスで出されるのですが、これが実に京都らしい味わい。ひと口飲めば京都を旅行で訪れた時の気分が甦り、ほっこりした時間が流れ始めます。

鶴屋吉信 東京店
所在地 東京都中央区日本橋室町1-5-5 COREDO室町3 1階
電話番号 03-3243-0551
営業時間 ショップ 10:00~21:00/茶房・菓遊茶屋 10:30~20:00(19:30 L.O.)
定休日 無休(元日を除く)
URL http://tokyo-mise.jp/

小松めぐみ (こまつ めぐみ)
東京都生まれ。食い道楽の親の影響で、10代半ばにして料理に目覚める。大学卒業後、出版社勤務を経てフリーランスに。2000年に独立し、主に雑誌で飲食関連の記事を編集している。

Column

小松めぐみの和菓子で和む、ほっこり時間

落ち着いた和の空間で和菓子をいただき、ほっこり和む、幸せな時間。仕事の合間や散歩の途中に、自分の時間を取り戻せる甘味屋さんをご紹介します。

2016.02.25(木)
文・撮影=小松めぐみ