オリーブの木を重機で揺らして実を収穫!

オリーブ畑が広がるコリリアーノ・カーラブロ。

 アルトモンテを後にして、コリリアーノ・カーラブロにあるオリーブ農園とエキストラバージン・オリーブオイルを作る工場へ。

寿命の長い古木にもオリーブの実がなっている。

 ここでのオリーブオイルの収穫時期は10月から1月で、訪れた農園では10月に若い実、12月には熟した実と、時季を分けて収穫を行っている。

豪快に重機で実を払い落とす。

 樹齢1000年というオリーブも生えている農園に、たわわになるオリーブの実。突然に何やらブルブルと大きな音がして、その実がバラバラと落ちて来る。このオリーブの収穫方法は、とても面白い。下にネットを置いて、木を揺すってそこに払い落とすのである。

残ったものを、今度は手持ちの機械で振り落とす。
そして、下のネットに溜まるという仕組み。

 オリーブは、収穫された段階から酸化が始まるので、すぐに工場に運び込む。酸化すると酸度(オリーブオイルの健全さ、採油の適切さ、オイルの品質を決める基準)が上がってしまい、質の悪いオリーブオイルになってしまうのだ。

一日に6トン、山盛りの収穫。
オリーブ農園のマッチョな男性陣。

 オリーブオイルとテーブルオリーブの国際協定に基づく政府間機関であるインターナショナル・オリーブ・カウンシル(略してIOC、本部はスペインのマドリード)では、エキストラバージン・オリーブオイルに適するものを酸度0.8%以下としている。日本のJAS規格では酸価という値で表現していて、食用オリーブ油は酸価2.0(酸度にすると1.006%)以下だ(エキストラバージンやバージンなどのカテゴリー分けは存在しない)。

2016.02.23(火)
文・撮影=小野アムスデン道子