vol.03 サンフランシスコ(2)

1カ月先まで予約は満席!

俯瞰してみると「NOPA」が大入りなのがよくわかる。

 アメリカ料理は大味で単純というイメージがあるが、サンフランシスコでは、洗練されて、美味しく変身する。

 そんな料理に出会いたければ、アラモスクエア地区の「NOPA(ノーパ)」にいけばいい。隣は、人気のグローサリーストアの「バイライト・マーケット」兼「バイライト・クリーマリー」。数ブロック先はフォーバレル・コーヒーの店「ザ・ミル」があるので、こちらもチェックしてみると面白いだろう。

「NOPA」の「豚肩肉の蒸し煮、牛乳と唐辛子風味」。

 さて「NOPA」のディナーは1カ月先まで予約が満席という人気で、日曜日のブランチに出かけてみた。

 銀行を改装したという店内は、1階席と2階席に分かれ、1階のダイニングは、2階席の天井まで吹き抜けて、開放感が漂う。100人は入る広さだが満席で、30~40代のオシャレな男女が多い。1階は左手にバー、奥がオープンキッチンとなっている。1階でくつろぐもよし、2階から見下ろしながら、美味しい賑わいに上気するもよし。どこに座ろうが、心が弾むレストランである。

ウェイトレスは私服でサービス。

 レセプションには私服を着た、若く美しい女の子が2人、イケメンが1人。心からの笑顔で出迎えて、席にエスコートしてくれる。ウェイターもウェイトレスも私服で、全員がユーモアに富んだフレンドリーなサービスをしてくれる。

 料理は、カリフォルニア料理と地中海料理をミックスしたもので、名物は「ロティサリーチキン」。しかしブランチメニューにはない。注文した「豚肩肉の蒸し煮、牛乳と唐辛子風味」(15ドル)は、料理の仕上げに石窯で焼き、表面はカリッとしながら、中はしっとりと肉汁に富む食感。ゴールデンレーズンの甘酸味が利いたソースは豚の脂の甘みと溶け合い、ポーチドエッグの黄味の甘みとエンダイブのほろ苦さが、絶妙なアクセントになっている。

2016.02.19(金)
文・撮影=マッキー牧元