Magnificent View #870
セントローレンス川(カナダ)

(C) Beanstock Images / Masterfile / amanaimages

 五大湖東端のオンタリオ湖から、アメリカとカナダの国境付近を流れ、大西洋へと注ぐセントローレンス川は全長1197キロ。ご覧の風景は、河口に近いケベックシティからの眺めだ。

 1534年、ヨーロッパ人として初めてこの川に到達したのは、フランス人のジャック・カルティエ。当時のフランス国王フランソワ1世が、中南米を植民地化したスペインに対抗し、アメリカ大陸北部に植民地を築くことを計画。船乗りだったジャックに探検を命じたのだ。

 セントローレンス川を探検中、カルティエが出会ったのが、先住民イロコイ族の人々。スタダコナ村(現在のケベックシティ)への道を尋ねたところ、集落を意味する「カナッタ」と教えられ、彼は航海記に、この地を「カナダ」と記した。

 まもなく、探検家や毛皮貿易商たちが次々とこの地に進出し、カナダと呼ばれる地域は拡大。これが後に、現在のカナダという国名になったという。

 現在、セントローレンス川は船旅が人気に。豪華なクルーズ船が行き交っている。

Column

今日の絶景

この広い地球上には、まだまだ知られざる素晴らしい景色がある。思わず息を飲んでしまう雄大な自然、ミステリーにあふれた驚きの奇観、そして、人間の文明が刻んだ偉大な足跡……。ここに、選りすぐりの絶景をお届けします。さあ、ヴァーチャルな世界旅行へと出かけよう!

2016.02.17(水)
文=芹澤和美