男と女のマンガ道

男と女のマンガ道

ネタ集めと人々との触れ合いを描く
フリーペーパーをめぐる2作のマンガ

今月のテーマ「フリーペーパー」

【MAN】
ヒロインの成長が、町の人々にも変化をもたらす

 町を歩けば、女性向け、クーポン付き、地域密着型などさまざまな「フリーペーパー」が手に入る現代。本書の主人公つるこちゃんこと巻村鶴子は、公務員1年生ながら、地域の情報新聞『春山町サロン』編集長を務めている。

 地図の上では東京の中心部のはずだが、雰囲気はのどかで、東京のエアポケットのような春山町。ネタ探しに出かけてみても、ネタにはなかなか出合えない代わりに、心優しい住人たちに出会えるのだ。

 彼女の父親は、『春山町サロン』からデビューした元ベストセラー作家で、母親は、スランプ中の夫に代わって働く大黒柱。前任記者の杉さんや印刷所社長の北村さん、マスコット作家のmuneさん等々。記事を作りながら、もっとみんなが笑顔で暮らせる町にしたいと奔走する鶴子に刺激され、春山町の人々にも変化が。

 すぐにはうまく動き出さなくても、前を向いていれば何かいいことがありそうだ。そんな希望を灯してくれる。

『春山町サーバンツ』(全4巻) 朝倉世界一

渋谷区役所春山町出張所に就職した巻村鶴子の、仕事にも恋にも一生懸命なさまを、町の春夏秋冬とともに描く。登場人物みな愛おしいが、中でも、出勤日初日に「酒処御無沙汰」で、仕事終わりのビールをごきゅごきゅ飲む鶴子の幸せそうな顔に、癒されること間違いなし!
KADOKAWA/エンターブレイン 740~830円
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2016.02.03(水)

文=三浦天紗子

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