「コスメ界のF1」を目指した究極の1本

 そして2015年9月、モテマスカラ ONE リフトアップが誕生。“エンドミネラル”を従来のマスカラの3倍高配合し、液の処方やブラシの設計、パッケージデザインすべてにおいて「最高」を極めた、まさにフルオーダーといえる1本。

「自動車の世界の最高峰F1。この特別なステージではネジ1本にまでこだわり抜くじゃないですか。コスメの世界でこれを実現したかったんです。開発に期限や制約を設けずに、開発者や職人さんが最高と誇れるマスカラを作ろうと。これまで叶ったこともゼロから見つめ直しました。たとえば「にじまない」機能では、耐久性と柔軟性を備えた床用ワックスに注目。化粧品への応用はむずかしいとされていた素材なんですが、建築用ワックスの研究者の協力を得て独自のコーティング処方を開発。にじみにくさが大幅に向上しました」(今村さん)

 ONEの登場で大人のファンが増えましたね。私の周りでは目が疲れないという人が結構いて、これって“エンドミネラル”贅沢配合の威力かも。

「むくみがすっきりしたという人やリフトアップを感じたという人も」(今村さん)

 キャップを締めたときにカチッとする音も気分上がる。それと豪華な外箱。高級ブランドのチョコレートのボックスと同じメーカーに依頼したって吉田の裏ネタ帳に書き込みました(笑)。

コスメだからできるアンチエイジング的な演出

「出合い方って大事だと思うんですよ。何、コレ? って触れたときの驚きや早く開けたいと思うワクワク感。使ったときの上がる気分とか、こういう演出もコスメだからできるアンチエイジングだと思う。僕はお客様窓口でもあるので、生の声からたくさんヒントをいただきました」(今村さん)

 今村さんの話を聞いていると物作りが楽しくて仕方ない感じ。ONEでマスカラはひとつの完成形ができたし、アイライナーも仲間入りして気になるのが次の製品。“エンドミネラル”の働きを考えるといろいろ作れそう。作って欲しい!

「目元アイテムは女性の印象を変えることがテーマでしたが、誰でも簡単にキレイになれることにチャレンジしたいと考えていて春に向けて新製品を準備しています。もちろん“エンドミネラル”をキーに、他にはないアプローチと形で。楽しみにしていてください」(今村さん)

 え~、今度はモテ何になるんだろ?

2016.02.04(木)
文=吉田昌佐美
撮影=西原秀岳

CREA 2016年2月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

大人の少年少女文学

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定価780円