「テタレ」はカスタマイズが可能

 さて、「テタレ」にはバリエーションがいくつかあります。オリジナルは、温かい「テタレ」。氷を入れて冷たくすると「テアイス」。それに珈琲を加えると「チャム・アイス」になります。

左:「テアイス」。アイスとつけると冷たい飲み物になるので、テタレアイスと言いたいところだが、現地ではテアイスと省略されている。
右:「チャム・アイス」。珈琲と紅茶のミックス。ありそうでなかった組み合わせがおいしい。

 甘さをおさえたいときは、「テタレ・クランマニス」(現地語でクランは控えめ、マニスは甘い)と注文しましょう。生姜入りの「テ・ハリア(現地語で生姜)」も人気です。

 ほかに、こんな「テアイス」もあります。金魚すくいのようなビニール袋に入ったもの。

「テイクアウェイ」をすると、この状態で渡される。置くことができないので、飲み終わるまでは手から離せない。

 これは、テタレに限らず、ドリンクの一般的なお持ち帰りのスタイル。ビニール袋!? と衝撃を受けるかもしれませんが、味はおいしいので、驚かないでね。なぜか屋台で飲むよりも量が多く、値段が高いこともあります。

 最後に紅茶つながりで紹介しますと、練乳無しの場合は「テーオー」(砂糖入り紅茶)、練乳も砂糖も無しにしたいときは「テーオーコソン」(ストレートティー)になります。ライムによく似た柑橘系の実リマウを搾った「テーオーアイスリマウ」(アイスレモンティー)も大好きです。

左:「テーオー」(砂糖入り紅茶)。マレーシアのドリンクは、基本型が甘い味なので、そこから「○○を抜いてね」という引き算方式で注文する。
右:「テーオーアイスリマウ」は、生の柑橘類の香りがとてもさわやかだ。

 いかがでしたか。マレーシアグルメをディ~プに堪能するには、ドリンクも大事。お互いを引き立て合う現地のコンビネーションをぜひ試してみてください。

紅茶のコクとリッチな甘みが特徴のテタレ。マレーシア人がこよなく愛するドリンクで、特徴はなんといっても、その淹れ方。テ(紅茶)をタレ(引く)するのですが(具体的な動作は動画をチェック!)、このひと工夫で、舌触りはまろやかに、ぶくぶく泡が立って見た目はかわいく仕上がります。こちらは、マラッカのお洒落カフェ「テタレプレイス」で、テタレを淹れている様子。次々に泡立ちさせていくお店の人の早業に注目! ひとくち飲んだマレーシア人、小さな声で「Sedap(おいしい)」と言っています。(動画提供:Hamzaさん)

日本でも「テタレ」を提供しているレストランが多数あります

ペナンレストラン(東京都港区芝)
URL https://www.facebook.com/PenangRestaurant

マレーアジアンクイジーン渋谷店、横浜店(東京都渋谷区渋谷、横浜市中区山下町)
URL http://www.malayasiancuisine.com/

マレーカンポン(東京都中央区八丁堀)
URL http://www.malaykampung.com/

マレーチャン サトゥ(東京都豊島区西池袋)
URL http://www.malaychan-satu.jp/

マレーチャン ドゥア(東京都豊島区東池袋)
URL http://www.malaychan-dua.jp/

ケニーアジア(大阪市中央区千日前)
URL http://kennyasia.com/

マレーシアごはんの会 古川 音(ふるかわ おと)
「マレーシアごはんの会」にて、マレーシア料理店とコラボしたイベント、マレーシア人シェフに習う料理教室を企画・開催。クアラルンプールに4年滞在した経験をもち、『ニッポンの評判』(新潮新書)のマレーシア編を執筆。マレーシアごはんの会の活動のほか、情報サイト「All About」でのマレーシアライター、食文化講演も担当している。
オフィシャルサイト http://www.malaysiafoodnet.com/

Column

マレーシアごはん偏愛主義!

現地で食べたごはんのおいしさに胸をうたれ、風土と歴史が育んだ食文化のとりことなった女性ふたりによる熱烈レポート。食べた人みんなを笑顔にする、マレーシアごはんのめくるめく世界をたっぷりご堪能ください。

2016.02.05(金)
文=古川 音
撮影=古川 音、三浦菜穂子