自分が老けていくのが楽しみ

―来年、20歳を迎えますが、20代はどんな俳優を目指したいなどの今後の展望はありますか?

 単純に、身体や外見が成長していくと思うんですよ。見た目がもっと大人になっていくことで、今までに出来なかった役ができるし、逆に今まで出来た役ができなくなってくる。同じ芝居をしているつもりでも、外見が変わってくれば、見え方も変わってくると思う。そういう意味では、自分が老けていくのが楽しみです。『みーまー』を今から撮ったらまったく違う作品になると思うし、『ヒミズ』も、震災後のあのタイミングで撮っていたからこそああいった作品になった。そう思うと、役者ってスゴく面白い仕事だと思いますね。

――さて、私生活では、頻繁に試写や劇場に映画を見に行かれている染谷さんですが、今後出演してみたい監督さんはいらっしゃいますか?

 今後も、いろんな方と仕事をしてみたいです。いろんな性格の監督もいれば、いろんなやり方の監督もいることで、いろんな映画があるわけですし。たとえば、PFF(ぴあフィルムフェスティバル)出身の若い世代の監督さんたちとは、いっぱい絡んでいきたいですね。PFFは毎年楽しみで、足を運んでいるんです。僕は、役者である以前に単純に映画が好きなので、時間さえあれば見たいんですね。もちろん、毎日ガッツリ映画の現場に入ったりすると、撮休日はDVDすら受け付けないこともありますけど(笑)。

――ジャンルも、国も問わず、映画をご覧になる染谷さんですが、やはりいちばんは日本映画推しだということですか?

 日本映画は好きですね。今も盛り上がっていると思いますが、単純に見る側としても、仕事させてもらう側としても、今より盛り上がっていってほしい気持ちが強いです。でも、盛り上がりすぎて、バブルみたいにハジけないでほしいです(笑)。

染谷将太(そめたに・しょうた)
1992年9月3日東京都生まれ。身長172cm・体重54kg。9歳のとき、『STACY』で映画デビュー。その後も『ピンポン』『14歳』『フレフレ少女』などに出演。09年『パンドラの匣』で長編映画初主演を務める。今年は年初に公開された『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』のほか、現在公開中の『アントキノイノチ』など4本に出演。来年2012年には『ヒミズ』(1月14日公開 ※『CREA』1月号〈12月7日発売〉では『ヒミズ』についての染谷さんインタビューも掲載!)をはじめ、『ALWAYS 三丁目の夕日'64』(1月21日公開)、『生きてるものはいないのか』(2月18日公開)などが公開される。
公式ブログ ameblo.jp/shota-sometani/

特集≪First Love~ボクらの初恋~≫
CS日本映画専門チャンネルでは現在(12月まで)、初恋をテーマにした映画特集≪First Love~ボクらの初恋~≫を毎週金曜に放送中。染谷将太出演の『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』(放映日時:12月12日(月)21:00~、12月13日(火)14:00~、12月20日(火)23:00~)をはじめ、さまざまな初恋の形を描いた邦画をセレクトしてお届け。映画本編の前後には、染谷将太出演の映画紹介ミニ番組もあわせて放送。この放送だけでしか見られないオリジナル映像をお見逃しなく。
www.nihon-eiga.com

『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』
ある日、暴力的でわがままだけれど、かわいくて憎めない幼なじみのまーちゃん(大政絢)と再会する、みーくん(染谷将太)。二人は10年前に起きた誘拐監禁事件の被害者同士で、いまだに心に癒えない深いキズを抱えていた。不気味な連続殺人事件が世間を騒がせている中、精神科医のもとを訪れたみーくんの前に刑事が姿を現す。かつて誘拐監禁事件の被害者同士だった幼なじみの男女の純粋で残酷な恋愛模様を綴る。

Column

厳選「いい男」大図鑑

 映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。

2011.12.01(木)
text:Hibiki Kurei
photographs:Miki Fukano
hair&make-up&styling:Miyuki Abe