「メイちゃんの執事」から「任侠ヘルパー」への転機

――その後、「ごくせん」の不良、「メイちゃんの執事」の執事、「任侠ヘルパー」のインテリ系ヤクザと、人気ドラマでさまざまな役柄を演じますが、転機となった作品は?

 どの作品も僕にとって大切な作品なのですが、「メイちゃんの執事」から「任侠ヘルパー」にかけては、演技について以前より、いろいろと考えるようになりました。それまでヤンキーやホスト役をやってきたのですが、「メイちゃんの執事」で演じた、頼りない可愛い仔犬のような執事のキャラのインパクトが、みなさんにとって強かったみたいなんですよ。そこから「任侠ヘルパー」のクールな組長役に挑戦できたことは、大きな転機になりました。役作りのために身体を作ったり、素敵な先輩たちと一緒にお芝居させていただいて、とても勉強になりました。でも、あまりに役のことを考えていたためか、現場でお話しした思い出がないんです(笑)。

――最新出演作となった『さらば あぶない刑事』では中南米マフィア「BOB」のメンバー、ディーノ・カトウを演じられていますが、どのような経緯で出演が決まったのですか?

 監督含め、ほかのスタッフの方々との面接のようなものがあり、ディーノは中南米人役なので、ポルトガル語を喋れることや父の話、もっと身体作りができることをスゴくアピールしました。それで決まってから撮影までの1カ月半、ジムに通い詰めて、2、3時間ごとに食事をして、とにかく身体を大きくしました。結果、8キロ増量したのですが、気づいたら体脂肪が4.5%にまでなっていました。あとは本格的なアクションのために、道場にも通わせていただきました。あと、劇中で喋る会話はポルトガル語ではなく、スペイン語だったので(笑)、猛訓練しました。

2016.01.22(金)
文=くれい響
撮影=深野未季