今日の絶景

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激動の昭和と運命をともにした帆船は
横浜のウォーターフロントのシンボル

Magnificent View #844
帆船日本丸(神奈川県)

(C) Rudy Sulgan / Masterfile / amanaimages

 横浜の夜景をバックに美しい姿を見せているのは、帆船日本丸。1930年に航海士を訓練する練習船として建造されてから約54年間、延べ183万キロを航行した船だ。

 日本丸が活躍した時代は激動の最中にあった。1941年に太平洋戦争が始まると、航海訓練を中止、白い船体はグレー一色に塗り替えられ、物資の輸送任務に従事。海では多くの船が沈んでいくなか、日本丸は戦渦を免れ、終戦を迎える。

 終戦後は、海外から2万人以上の日本人引揚者を輸送、1951年にサンフランシスコ平和条約が調印されてからは、乗組員たちは戦争の傷跡が残るジャングルでの遺骨収集や慰霊碑の建立などに尽くしたという。

 一時は「帆船は時代遅れ」と言われながらも、再び遠洋航海の訓練船として活躍。1984年、その任務を二代目日本丸に引き継ぎ引退した。

 ドックに展示されているのは、ほぼ現役時代のままの姿。かつて「太平洋の白鳥」と呼ばれた船は、波乱万丈の昭和を、静かに後世に伝えている。

2016.01.22(金)

文=芹澤和美

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