アラブ人支配の時代に発展した村の楽しみ方

 アルバラシンは元々ローマ時代の集落を起源とし、アラブ人支配の時代に発展した村で、この城壁もその頃に造られました。後世に改修・増築もされていますが、現在残っている一番古い部分は10世紀頃まで遡ります。

城壁に上る階段はいくつかあるが、その階段はもちろん、城壁の上部も手すり等は一切ないので、歩きやすい靴をはいていくことをお忘れなく。城壁の上からは、はるか遠くまで広がる山並みを一望できる。

 城壁からの素晴らしい眺めを堪能したら、マヨール広場まで戻って、今度は左側の道をカテドラル方面に向かいましょう。鐘楼のカラフルなタイル屋根が特徴的なカテドラルは、パッと見、どこが正面入口か分からないかもしれません。荘厳なファサードが一般的なスペインのカテドラルとしてはごく珍しいスタイルで、入口からは中の素晴らしさが分からないこの村のイメージと、どこか重なるようにも思えます。

 その他にも、由緒ある歴史的建造物が色々とありますが、この村の魅力を満喫するには、なんといってもくねくね続く細い街路を地図に頼らずのんびり散策するのが一番です。疲れたら村のそこここにあるバルやレストランで小休止。さらに村内のホテルで静かな一夜を過ごせば、スペインの美しい村での過ごし方、完全マスターです。

 マドリッドやバルセロナなどの大都会の観光も楽しいですが、旅程に余裕があれば、こういった小さい美しい村もぜひ訪れてみて下さい。

【アクセス】
●レンタカー利用の場合

公共交通機関でのアクセスは不便なので、最寄りの都市からレンタカー利用がおすすめ。マドリッドから所要約3時間30分、サラゴサから約2時間。

●公共交通機関利用の場合(バス)
マドリッドもしくはサラゴサから、テルエル乗り継ぎでアルバラシンへ。
マドリッド→テルエル 約3.5~4.5時間(1日2~4便)
サラゴサ→テルエル 約2時間(1日6便)
テルエル→アルバラシン 約50分(1日1便/日・祝を除く)

アルバラシン村 公式サイト
URL http://www.albarracin.es/index.php
※スペイン語のみ

アルバラシン村を中心としたアルバラシン山脈地区の公式観光サイト
URL http://turismo.comarcadelasierradealbarracin.es/index.html
※スペイン語のみ

坪田みゆき(つぼたみゆき)
バルセロナ在住、コーディネイター。大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)イスパニア語学科卒。在東京スペイン政府観光局勤務などを経て、2004年よりバルセロナ在住。バルセロナ、バレアレス諸島(マヨルカ島他)、バスク地方などを中心に、スペイン全土の取材・撮影コーディネイトの他、通訳・翻訳業務も行っている。http://spainbcn.exblog.jp/

Column

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文・撮影=坪田みゆき