学校帰りに、アツアツのコロッケをほおばる。「買い食い禁止」の校則を破ってでも食べたいおやつでした。大人になっても、やっぱり食べたい揚げたてのコロッケ。そこで、遠方でもわざわざ訪れたいコロッケ専門店を探してみました。見つけたのが、大阪府高石市にあるコロッケ専門店「クロケット」。カウンター席でビールやワインと一緒にイートインできるのが魅力です。最寄りは南海本線の羽衣駅。さっそく出かけてみました。

煉瓦を施した外観。
ショーケースにはオーダーを待つコロッケが並びます。

 洒落たバールのような外観。ドアを開けると、正面のケースに揚げる前のコロッケがずらり。ケースの上には、その日のコロッケの写真が飾られています。その数、8種類程。「プレーン」はもちろん、「チーズ」、「トマトとバジル」、「きのこ」など、どれもおいしそうで食べてみたくなります。「明太子バター」や「キーマカレー」も気になる。

 高校生が友達同士でやってきて、ひとり1個ずつ注文。食べながら帰っていきます。年配の婦人が晩ごはんのおかずの一品として買っていく姿も。かと思うと、奥に伸びるカウンター席に座って、「忙しくて食べ損ねたから」と営業マンが遅いランチを食べていたり。お店にはほっこりした雰囲気が漂っています。

 コロッケを注文すると、1個ずつ揚げ油に投入。じゅわじゅわと油がはじける音がして、香ばしいキツネ色に揚げて出されます。

左:オーダーごとに揚げていきます。
右:じゅわじゅわとコロッケが揚がるいい音!

 ご主人・藤本幸浩さんは、1980年生まれ。高校生の頃に寿司屋でアルバイトをして以来、その主人の姿に憧れて「いつか飲食店をやりたい」と思っていたのだそう。卒業後に建築業界で働いた後、そこの社長が亡くなって「ターニングポイントかな」と居酒屋をやろうと決意。そんな時に何気なく見ていたテレビ番組のコロッケ特集に触発され、「2カ月間、ずっとコロッケを作り続けたんです」とにっこり。家族はもちろん、友人を呼んで食べてもらい、何種類もを完成させます。

 たまたま見つけた9坪程の店で、2013年8月25日開業。

「昼はランチで、夜はバールとして来店してもらえますが、メインはコロッケ。1個から持ち帰りOKのコロッケ専門店です」。

藤本幸浩さん。

 コロッケは藤本さんが、毎日ひとりで手作りしています。

 材料は、北海道産のしっとり感のあるメークインと、ほっこり食感の男爵芋を6対4でブレンド。「お芋は蒸し器で蒸しています」。自家製のホワイトソースを、芋に対して半分程入れて、なめらかな口当たりに。肉は国産の牛肉100%。「洋食屋のコロッケをイメージして、俵型に仕上げています。冷凍しての作り置きはしません」。サクサクに揚がるパン粉を選ぶなど、こだわりたっぷりです。

「プレーン」130円。

 「プレーン」は、しっとり、なめらかで、隠し味のアンチョビがポイント。子供から年配の人まで、誰もが好む優しい味わいで、ごはんにも合います。

2016.01.17(日)
文・撮影=そおだよおこ