ミラノで気軽にフランチャコルタを楽しむならやっぱりアペリ。定番から最新まで押さえておきたい!


フランチャコルタとは?

ミラノの北部フランチャコルタ地方で造られるDOCG(統制保証付原産地呼称)に認定されるハイクオリティな発泡性ワインのこと。瓶内2次発酵、かつ瓶内熟成18カ月以上など厳格な規定がある。現在手がける生産者は、約120社。繊細で柔らかい泡からキリリとしたものまで風味も様々。飲み比べて珠玉の一本に出合いたい。

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ヴィンテージのソファで
上質な泡を心ゆくまで

◆ Bicerìn (ビチェリン)

左:ピスタチオと自然海塩を添えたフォアグラ 12ユーロに、CASA CATERINA BRUT 2002 50ユーロ。
右:厳選サラミとチーズの盛り合わせ 24ユーロはCAVALLERI Pas Dosè 2010 44ユーロと。

「ワインは、どこで飲むのが一番美味しく味わえると思う?」

 オーナーの一人である、アルベルトが親しげに聞いてくる。その答えは、

「家のソファが最高!」

注目のオレンジワインも勢揃い。

 「ビチェリン」は、2015年6月にオープンしたばかりのエノテカ・ワインルーム。タップダンスで知り合ったシルヴィアとロレンツォ、ロレンツォの恋人のアルベルトの3人で開いた店だ。それぞれに仕事を持っているが、「あまりにワインが好きで、とうとう店を開けてしまった」という。

 ワイナリーに直接出向き、生産方法や経営方針、生産者の人柄にまで着目し、本当に気に入ったものだけを入荷するスタイルで、集めたワインは600種以上。イタリアを中心にした壮大なコレクションを並べた棚は、天井まで続く。

左:天井まで続く壮大なコレクション。
右:オーナーのアルベルト(右)とロレンツォとシルヴィア。

「これは、リブレリア・デル・ヴィーノ(ワインの本棚)。ソファのあるサロンの隣は、書斎があるものでしょう?」

 店内は、くつろいでワインを味わえるようにと、サロンと書斎をイメージした。インテリアを担当したのは、建築デザイナーのロレンツォ。ソファやテーブル、シャンデリアなど、家具はすべて本物のヴィンテージで、友人知人の家で眠っていたものを譲り受けたり、蚤の市で集め、修復した。ソファの背もたれも1800年代のヴィンテージ・ファブリックが使われている。

左:1700年代のシャンデリア。
右:ヴィンテージ家具を配置したシャビーシックな店内。最高に居心地がいい。

 アペリティーヴォに合わせ、18時からワインに合う上質なメニューを用意。おしゃべりが弾めば、そのまま夕食にして夜中まで。そんな過ごし方も、アリだ。

Bicerìn(ビチェリン)
所在地 Via Panfilo Castaldi 24, Milano
電話番号 02-84258410
営業時間 18:00~24:00(持ち帰り 15:00~、土・日曜 10:00~)
定休日 12月25・26日、1月1日
URL http://www.bicerinmilano.com/

取材・文=岩田デノーラ砂和子
撮影=坂手 尋