平成の大修理を終え、白鷺城の愛称そのままに、白く美しくそびえる世界遺産・姫路城。そのお膝元、姫路の街に「ニューヨークスタイルのスコーンや焼き菓子がおいしい洋菓子店ができています」と教えてくださったのは、前回ご紹介した「アンダーグラウンド ベーカリー」の手井梨恵さん。自身が作る英国スタイルのスコーンとは異なるタイプだけれど、とてもおいしいスコーンなのだそう。さっそく行ってみました。

おいしそうなスコーンがずらり!

 そのお店「マーガレットスプーン」は、JR、山陽電車の姫路駅から姫路城に向かう途中にありました。オープンは2014年12月20日。文真理さんが作ったニューヨークスタイルのスコーンやクッキー、ケーキ、グラノーラが13坪のお店にあふれんばかり。店内に足を踏み入れただけで、香ばしくておいしそうな香りに包まれます。

スタイリッシュななかにもぬくもりあふれる店内。
オーナーの文真理さん。

 兵庫県高砂市出身の文さんは、スコーンを知ってから、様々なレシピで何十回、何百回も作ってきたのだとか。「生地のこね具合や水分の量がほんの少し変わるだけで、焼き上がりが全然違ってしまう。その奥深さがおもしろくて」。自分の思うようなスコーンができるようになり、本格的に作り始めたのが、ここ2年程。週2回、JAの直売所3店に出すと、ファンが増えて完売することもしばしば。「焼きたてを買いたいというリピーターの声に後押しされて、お店を持ちました」。

 スコーンは、北海道産の小麦粉、よつ葉の発酵バター、上質なナッツやドライフルーツなど、こだわりの材料を使い、文さんがひとりで手作り。「マーガリンは一切使っていません」。

 ポイントは、こねすぎないこと。「水分は少なめ。粉に水分を入れるようにして混ぜ、粉っぽさを残すことでザクッとした食感を出します。でも、中はしっとり、食べやすいんですよ」。

 毎日朝8時から作り始め、次々に焼き上げられて、10種類程のスコーンが並びます。

「チョコチップスコーン」300円。

 さりげなく、積み上げるようにして平台に置かれたスコーンは、形も色も様々。「なんでもありのニューヨークスタイルです」と、文さん。どれもボリュームがあって、ずっしりと重い。

2015.12.27(日)
文・撮影=そおだよおこ