今月のテーマ「ファッショニスタ」

【MAN】
センスもマインドも失格。玉砕ぶりがハンパない

 ファッションセンスに自信のない男性にとって、恐怖の対象でしかないのが「オシャレな女子」。ゆるふわ系のバイブル的な雑誌編集部に配属された花月カヲルら男性編集者たちは、撮影に立ち合い、オシャレタウンを歩く。そのたびに挙動不審。センスは一足飛びに成長しないとはいえ、企画のブレストで、〈エコ〉〈ロハス〉〈森ガール〉の3つを女子トレンドの柱として考えた究極のコーデが〈○○虫〉って、さすがにどうなの!?

 だが、センス問題よりも心配なのが、女子のメンタリティーについての思い込みをまき散らす花月たちの上司・斑鳩デスク。恋とオシャレは切り離せない。ゆえに恋愛&オシャレマスターという立ち位置で登場しているのだが、彼の〈斑鳩メソッド〉はときおり怪しい。無難なファッションさえこなせない花月たちがオシャレ上級者になれるのかはもちろん、じわじわ明かされていくだろう斑鳩の「モテ疑惑」も密かに楽しみだ。

『服なんて、どうでもいいと思ってた。』(既刊1~2巻) 青木U平

赤文字系雑誌『ルイルイ』に集められた、花月らファッション音痴の編集者。〈オシャレという進化をしないままガラパゴス諸島で育ってしまった 珍妙な生き物がニューヨークマンハッタンのど真ん中に迷い込んでしまった〉いたたまれなさを、克服しようと頑張るギャグマンガ。
KADOKAWA 552円
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2015.12.06(日)
文=三浦天紗子

CREA 2015年12月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

贈りものバイブル

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定価780円