今日の絶景

今日の絶景

大航海時代の繁栄を伝える塔が秘めた
あまりにも残酷な仕掛けの正体は?

Magnificent View #789
ベレンの塔(ポルトガル)

(C) Allan Baxter / Masterfile / amanaimages

 ポルトガルの首都リスボンを流れるテージョ川。その河口で優雅な姿を見せているのは、大理石でできたベレンの塔。ここを訪れた司馬遼太郎が、その美しさを貴婦人がドレスの裾を広げて立つ姿に例え、「テージョ川の公女」と呼んだ逸話も有名だ。

 建物はポルトガル王のマヌエル1世の命により建てられ、1521年に完成。ヴァスコ・ダ・ガマの世界一周を記念して作られた灯台だが、同時に、テージョ川に出入りする船を見張る要塞としての機能も備えていた。

 マヌエル様式の傑作とも言われているベレンの塔。外見こそ優美ではあるが、1階には政治犯を収容する牢獄も併設されていた。河口にある立地を生かし、満潮時には牢獄が水浸しになる構造になっていたという。

 1755年、街の建物の9割が崩壊するというリスボン大地震が発生。この塔も津波の被害を受けたものの、幸いなことに崩壊を免れた。現在、同じくベレン地区にあるジェロニモス修道院とともに世界遺産に登録され、観光の目玉となっている。

2015.11.28(土)

文=芹澤和美

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