ミシュラン2ツ星のモダンチャイニーズへ

朝、出勤前に外食で朝ごはんを食べて行く人が多い香港。

 2日目、「オヴォロ・ノーホー」の朝食はカジュアルスタイルのブッフェで、シリアル、フルーツ、卵にソーセージ、チーズにパン数種が揃い、コーヒーも淹れ立ての朝ごはんが付く。しかし、せっかく香港に来たので、ホテルの朝ごはんは明日に譲って、ご近所の行列の出来る粥・麺店に朝粥を食べに行く。

 日本では、熱でも出ない限り、お粥を食べることのない私だが、海外に出れば別。ひとさじ口に入れて、香港のお粥はどうしてこんなにじんわりと奥深い味なんだろうとしみじみ思う。

量がたっぷりのお粥。中に入っている具のうま味が出て、じんわりおいしい。

 鶏、牛、豚の肉や団子入りなど種類が多くて、注文に迷うが、私はピータンと豚肉の組み合わせを選んだ。あっさりとした味で、ネギと醤(ジャン)を足すとまたひと味違う。お隣りを見ると地元の方はこれにさらにトーストと卵焼き、ハムといった洋式朝食を足したセットを朝からモリモリ食べている。香港人の元気の元はこの朝ごはんなのかも。

生記清湯牛腩麺家
所在地 20-22 Hillier St, Sheung Wan
電話番号 +852-2541-8199

 午前中は、九龍側に渡って、庶民的なヤウマティ(油麻地)やモンコック(旺角)をぶらぶら。屋台や、中華菓子や手作り麺のお店などをのぞく。ここらあたりは物価も安くて、お土産を買うのにいいエリアだ。

 そしてお昼は、以前は「ランガム・プレイス」、今はリブランドで「コーディス」になったホテルに入っている「ミン・コート」へ。香港で最初にワイン・セラーを設けたレストランでもあり、7年連続でミシュランの星を獲得している。

左:爽やかなピノ・グリージョにシャルドネの深みが続く白ワインと、上品なモダンチャイニーズのマリアージュ。
右:豆腐とブラック・トリュフを使った前菜には、華やかな金箔の飾り。

 今夜幕開けする「香港ワイン&ダイン・フェスティバル」にインスパイアされて、ワインとモダンチャイニーズのコースをいただくことに。素材の味を重視し、洗練されたお料理に合わせてもらったのは、フレッシュなピノ・グリージョにシャルドネがブレンドされたイタリアの白ワイン「アル・ポッジョ Al Poggio」の2013年。

2014年香港美食大賞受賞の一皿。右から左へだんだんと味の濃い海老料理が楽しめる趣向になっている。

 「ミン・コート」のマンゴー・ツァン料理長は、2001年から続く権威ある料理コンテストであり、名だたる香港のシェフが腕を競う香港美食大賞受賞の常連で、香港ワイン&ダイン・フェスティバルが最初に開催された2009年には、実行委員も務めた。チキンや金華ハムで取った出汁に松茸を加えたり、ベースは伝統的な広東料理でありながらクリエイティブな料理が、驚くような美しい演出をされて出てくる。

あっと驚く演出のデザートは、目も舌も楽しませてくれる。

Ming Court(ミン・コート)
所在地 Cordis Hong Kong, 555 Shanghai St, Mong Kok
電話番号 +852-3552-3028
URL http://www.cordishotels.com/en/hong-kong/

2015.11.24(火)
文・撮影=小野アムスデン道子