世界中の船乗りが出入りする港町に各国の美味しい料理店が揃っているのは、グルマンの常識。しかも神戸港は、開港から150年近い歴史があり、その周辺には多くの老舗が軒を重ねています。そして老舗のそばには、若手の精鋭が挑むように飲食店を構えるのも、最近の傾向です。

 そんなわけで、神戸は今や東京に勝るとも劣らない食の都市になっています。阪神・淡路大震災からも20年たち、新しいレストラン、そして新しい食べ手がここ数年、増えてきました。それも京阪神からだけではなく、東京や札幌、九州からわざわざ訪れるグルマンが増えているのです。

 そんな彼らの信頼すべき一冊が「あまから手帖」です。創刊から30年以上、京都・大阪・神戸を中心に関西圏の美味しい店、美味しい情報を毎月発信し続けている食雑誌です。いくらネットでグルメ情報が簡単に手に入る時代になっても、ネットの世界は素人から玄人までが入り混じった玉石混交。しかし「あまから手帖」は長年、関西の食だけを見つめてきたプロフェッショナル集団が膨大な食の情報の中から、美味しいものだけを選りすぐってきたのです。

 その「あまから手帖」が、「いま神戸を美味しく巡るなら」をコンセプトに、神戸名物ともいえるフレンチやイタリアンなどのレストラン、パン、スイーツから、瀬戸内の鮮魚を駆使した寿司や日本料理、港町情緒を味わえるバーまで、新旧含めて美味しい店だけを紹介したのが『あまから手帖 神戸名物の店100選』(あまから手帖編 1,000円+税)です。

 これまで好評だった、京都、大阪、阪神間、奈良などの「100選」シリーズの最新刊で、特に三宮・元町エリアを中心に神戸市の美味しい店を網羅しています。彗星のようにあらわれたスペイン料理の新店から船上料理人の作った洋食店、華僑文化の支える美味しい中華料理店など、「あまから手帖」だからこそ探し出せたレストランばかり。

 読んでいるそばから、神戸に行きたくなっちゃいます。

『あまから手帖 神戸名物の店100選』
編集 あまから手帖
発行 クリエテ関西
定価 1,000円(税別)
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2015.10.10(土)