将来は俳優として教師を演じてみたい

――今回は廣瀬智紀さんとも共演されていますが、いかがでしたか?

 廣瀬くんとは最初に共演した舞台「弱虫ペダル」で仲良くなって、次に舞台で共演した「私のホストちゃん」は、僕が彼の弟分を演じたんですよ。どこかホワッとした雰囲気も似ているんですが、廣瀬くんはちょっと変わっていて、本番で台本にないことをアドリブでブッ込んでくるんですよ。それで燈と掻き回される現場は楽しかったですが、クライマックスで彼とあんなシーンを撮るとは思いませんでした(笑)。最初、台本ではあそこまで書かれてなかったんですよ。

――『羊』のみどころとともに、本作ではどんな染谷俊之が見られると思いますか?

 『カニ』は大きな波もなく、観てくださった方が各々の感想を抱く作品でしたが、『羊』は割とドンデン返しというか、衝撃的な展開もあり、観て笑って明るい気持ちになっていただきたい作品です。僕の素っぽさが出ているのは『カニ』に続いて、相変わらずなんですけれど、今度はオレオレ詐欺をしようとしたり、いろいろ挑戦している田宮を楽しんでいただけたらいいと思いますね。

――今後、30歳に向けて、どんな俳優を目指していきたいですか?

 27歳ですが、まだまだ学生役を演じたいですし、今年は燈と舞台(「ママと僕たち ~おべんきょイヤイヤBABYS~」)で赤ちゃん役もやらせてもらったので、今後も幅広く演じたいです。学校の先生を目指していたので、ガッツリと先生役を演じてみたいし、お父さん役や恋愛モノもやってみたいですね。僕、藤原竜也さんの集中力を感じる芝居が好きなんです。本当にカリスマ性がある方ですし、見入ってしまうお芝居が素敵ですよね。舞台はもちろん、映画やドラマで活躍されているので、僕も少しでも近づけたらいいな、と思っている憧れの存在です。

染谷俊之(そめや・としゆき)
1987年12月17日生まれ。神奈川県出身。07年より活動を始め、09年「恋して悪魔~ヴァンパイア☆ボーイ~」でドラマデビュー。以降、映画・ドラマ・舞台などで活躍。現在ドラマ「薄桜鬼SSL~sweet school life~」放送中。また「エンゲキ予報テレビ」ではMCを務める。10月9日(金)~12(月)、14日(水)~18日(日)、EXシアター六本木にて、舞台「幻の城~戦国の美しき狂気~」に出演。

『羊をかぞえる。』
前作『カニを喰べる。』から1年、田宮(染谷)と青島(赤澤燈)は相変わらずのその日暮らしの日々を送っていた。そんな2人の前に謎の少女カンナと、借金取りに追われる丸井(廣瀬智紀)が現れる。友人の連帯保証人になり、追われる身となったという丸井を放っておけない田宮と青島は借金返済のため奔走する。
(C)2015「羊」製作委員会
2015年11月21日(土)よりシネマート新宿ほかにて公開
http://hitsuji.united-ent.com/

くれい響 (くれい ひびき)
1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。

Column

厳選「いい男」大図鑑

 映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。

2015.10.09(金)
文=くれい響
撮影=細田忠