トラベルライターの旅のデジカメ虫干しノート

トラベルライターの旅のデジカメ虫干しノート

美食の聖地サン・セバスチャンで
バル6軒をハシゴしてピンチョス三昧

 世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、週替わりで登板します。

 第104回は、たかせ藍沙さんが、スペインが誇る至福のグルメタウン、サン・セバスチャンで世にも楽しいウォーキングツアーに参加します!

グルメが泣いて喜ぶウォーキングツアー!

ビルバオにあるグッゲンハイム美術館と、ルイーズ・ブルジョア作のクモのオブジェ。

 ここ数年、人気急上昇中のサン・セバスチャン。スペイン北部のバスク地方にある小さな町だ。この町が、とにかく熱い! 美食の町として、世界各国から旅行者が押しかけているのだ。

 もともとあったピンチョスという食文化に加え、食で観光客を呼び込もうと町ぐるみでレベル向上に努力した結果、細い路地にひしめくバル全体がレベルアップし、それぞれが一流レストラン並みのクオリティの料理を作るに至っている。ライバルであるはずのバルが互いにレシピを教え合うという、独自の戦略の賜物だ。

コンチャ湾に沿って半円形に続くコンチャ海岸。夏には世界中からバカンス客がやってくる。
コンチャ海岸の端にはマリーナがあるし、ダイビングを楽しむこともできる。ちょうど、地元のダイバーたちが、観光客とともに、水上と水中の両方からビーチクリーニングをしていた。

 サン・セバスチャンにアクセスできる空港は2カ所。近いのはサン・セバスチャン空港だが、便数が多くて乗り継ぎやすいのはお隣のビルバオの空港のほう。ビルバオもまた、グッゲンハイム美術館を造ったことで観光客誘致に成功した町だ。六本木ヒルズにある巨大なクモと同じ、ルイーズ・ブルジョア作のオブジェもある。そのビルバオ空港からサン・セバスチャンのバスターミナルまでは、直行バスで約1時間半の距離だ。

コンチャ海岸に沿う遊歩道の一画には、移動式のメリーゴーランドと遊具が置かれていた。大道芸人もいて、とにかくにぎやかだ。
町の中心を南北に流れるウルメア川。

 そんな胸躍るような町に降り立ったものの、ひとりなのでバル巡りの勝手もよくわからない。そんなとき、「ピンチョス・ハンティング」というツアーを見つけた。

 主催しているのは、サン・セバスチャン随一の高級ホテル「ホテル・マリア・クリスティーナ」の1階にある、「サン・セバスチャン・フード」という食材専門店だ。ピンチョス・ハンティングのほかにも、地下のキッチンスタジオで料理教室やワインティスティングを催すなど、サン・セバスチャンの食文化を広く発信している。

ウルメア川沿いにある、サン・セバスチャン随一の高級ホテル「ホテル・マリア・クリスティーナ」。「サン・セバスチャン・フード」は。正面に向かって左の1階だ。

 ピンチョスというのは、バルで出される小さな料理のこと。スペインのほかの地方でタパスと呼ばれているものと同様だ。「ピンチョ」とは串のことで、もともとバケットに具材を載せて、落ちないように串で刺していたことが始まりだという。今ではバルの小皿料理もピンチョスと呼ばれている。

「サン・セバスチャン・フード」には、ピンチョスに欠かせないオリーブやアンチョビ、酢漬けの青唐辛子、生ハム、塩などなど、バル巡りをした後には買いたくなる食材が所狭しと並んでいる。

 予約したツアーの集合時間に「サン・セバスチャン・フード」に行くと、20人近い人が集まっていた。案内には、「10人以内のグループでバルを巡る」と書いてあったのに、「うわっ、こんなに大勢で小さなバルを巡るの?」と思っていたら、「あなたは私のグループよ」と呼ばれた。グループ分けをしてくれたのだ。私たちのグループの参加者は8人。オーストラリア人が2グループで5人と、カナダ人のカップル、そして私だ。ガイドは背の高い美女、アランチャだ。

 「みなさーん、今からとっても楽しいツアーにお連れするわね。今日行くバルは6軒。さぁ、私についてきて!」と、アランチャ。全員がお店を出るとツアーが始まった。

San Sebastian Food(サン・セバスチャン・フード)
所在地 Hotel Maria Christina, Paseo Republica Argentina, 4, 20004 San Sebastian
電話番号 +34-943-421-143
URL http://www.sansebastianfood.com/

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2015.09.22(火)

文・撮影=たかせ藍沙

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