搭乗前に2回の朝食をペロリと平らげる

キャセイパシフィック航空のファーストクラス専用チェックインカウンターには、荷物を載せるベルトコンベアーがない。ていねいにカートで運んでくれる。

 香港からのフライトは、どうしてもキャセイパシフィック航空にしたかった。理由は前ページで書いたとおり、彼らの国のラウンジを使いたかったから。しかも、キャセイパシフィック航空のファーストクラスラウンジ「ザ・ウィング」は、改装されて新しくなったばかりだ。そして、徹底的にフライトを調べた。どこか遠回りしてでもファーストクラスに乗ることができないか。

 そして、見つけた! 不定期で、週1便程度、香港からバンコクへのフライトにファーストクラスがあった。そのフライトに合わせて全体の日程も組み直したのだった。

 香港の次の目的地はインドネシアのジャカルタ。後述するが、今回はクアラルンプールにも立ち寄りたい理由があった。ということで、香港からバンコク、クアラルンプールを経由してジャカルタに行くことにした。世界一周チケットで使用できる16区間のうち2区間が余っていたからだ。それがこの航空券の楽しいところだ。

 香港最終日は、ファーストクラスラウンジを楽しむために早起きし、空港へはかなり早めに到着した。チェックインカウンターは、今まで見たことがないスタイル。カウンターの後ろにベルトコンベアーがないのだ。チェックインした荷物は、係の方がカートに載せてていねいに運んでいく。私は荷物が増えてしまったので、スーツケースのほかに、布製のバッグをひとつ預けようとした。すると、破損しないようにと、段ボール箱に入れて梱包してくれた。

ヌードルバーはビジネスクラスラウンジにある。キャセイパシフィック航空イチ押しの担担麺、そしてワンタン麺と、ついでに肉まんも(笑)。

 無事チェックインを済ませ、ファーストクラスラウンジへと急いだ。最初の目的は、担担麺を食べること。昨年末に羽田にオープンしたキャセイパシフィック航空のラウンジでも同じものを食べて充分おいしかったのだけれど、やはり本場でも食べたいというもの。

 「ザ・ヌードル・バー」はビジネスクラスラウンジにしかないということで、まずは隣のラウンジで担担麺を。でも、ワンタン麺も捨てがたい、ということで、両方ともオーダー(笑)。濃厚ながらも滑らかでゴマの香り豊かな担担麺を食べて、ワンタン麺のさっぱりスープで仕上げ。小ぶりの器だったのでどちらもつるりと完食してしまった。

ファーストクラスラウンジは人も少なく余裕の広さ。円形のイスは背もたれが高く、プライバシーが保たれる造りになっている。左側にあるのが、キャセイパシフィック航空自慢の、大理石でできた「ザ・ロング・バー」。
ファーストクラスラウンジのレストランの朝食。ビュッフェでサラダをいただいてから、アラカルトのふわふわ絶品オムレツをいただいた。

 次はファーストクラスラウンジのレストランへ行って2食目の朝食(笑)。こちらは着席スタイルで、ビュッフェとアラカルトの両方を楽しむことができる。ビュッフェのサラダをいただいてから、アラカルトでオーダーしたふわふわのオムレツを。朝食メニューだったけれど、オムレツがあまりにおいしかったので、夜にはどんなメニューがあるのかしら、と、妄想がふくらんだ。

シャンパンバーはファーストクラスラウンジのみにある。この日はモエ・エ・シャンドンのロゼと、ヴーヴ・クリコ、ブリュット・キュヴェ・ペニンシュラの3種類が用意されていた。
バスタブ付きのバスルーム! 空港ラウンジのバスタブは初めて! アジアならではだろうか。

 ラウンジ内には、シャンパンバーやコーヒー専用カウンターもあるし、なんと、バスタブ付きのバスルームもある。数時間かけてあれこれ楽しみたいラウンジだった。

ふたりが並んで座れるくらい幅が広い天然革張りのシート。

 そして機内へ。B777-300ERのシートは、1-1-1という余裕の配置。天然革張りのシートの幅の広さには驚いた。窓側に飾られた蘭の生花の一輪挿しも心和む。

左:正面にあるオットマンをイスとして使えば、ふたりで向かい合って食事することもできる。
右:メイン料理の点心は、熱々のシュウマイ、蒸し餃子、ちまき。

 シャンパンに続いての食事のチョイスはオムレツか点心。もちろん点心を選んだ。テーブルも広いし、空間に余裕があるので、空の上とは思えないほど快適だった。同行者がいたら向かい合って座って食事ができるほどの広さだ。そして、蒸したて熱々の点心を、3食目(笑)の朝ご飯として、美味しくいただくことができた。「このシートのロングフライトに乗りたい!」と心底思った3時間弱のフライトだった。

2015.09.18(金)
文・撮影=たかせ藍沙