どこに泊まる? ドバイのベストホテルは?

「ワン&オンリー・ロイヤルミラージュ」のゲート。超高層ビルの立ち並ぶドバイ・マリーナからわずか数分の一等地に、東京ドーム5.6個分の広さとなる約26万平方メートルの広大な敷地を有する。ビル群の中で、アラビックな低層の建物がひときわ目を惹く。

 お買いものの次は、ホテルだ。ドバイにはそれこそ星の数ほどの超高級ホテルがあって、かの“7つ星ホテル”「ブルジュ・アル・アラブ」や2014年秋にオープンした「フォーシーズンズ リゾート ドバイ アット ジュメイラ ビーチ」、「ブルジュ・ハリファ」の一角を占める「アルマーニホテル ドバイ」などなど、宿泊してみたいホテルばかり。

 選択肢が多過ぎて悩ましいのだが、せっかくの中東ドバイ、アラビックな雰囲気を堪能できるホテルを選びたい。そしてビッグスケールなホテルが居並ぶ中、できるだけコージーなヒューマンスケールのサイズ感があるホテルということで選んだのが、「ワン&オンリー・ロイヤルミラージュ」だ。

最初にできた「ザ・パレス」はビーチフロントの宮殿ホテル。全231室ながら、アラビア湾に向かって開けた眺望、周囲を取り囲む広大な庭園のおかげでとてもコージー。エントランス前の7人の銅像は、7人の首長によるUAE創建の伝説を表している。

 このホテルは「ザ・パレス」「レジデンス&スパ」「アラビアンコート」の3棟に分かれていて、トータルで452室。決してこぢんまりとしたホテルの部屋数ではないのだが、敷地の広さや低層でゆったりと設えた施設の居心地はすこぶる快適。そしてもちろん! ワン&オンリーならではの極上のホスピタリティが味わえる。アラビックな外観内装は洗練されていて、ただの豪華絢爛な設えではない上質な空気を醸し出している。

「レジデンス&スパ」棟はもっとも隠れ家的な雰囲気。サンダルウッドのそこはかとない香りに包まれ一歩足を踏み入れると、土壁の地味な外観とは真逆のエレガントでインティメートな聖域が出現する。レジデンスの客室は49室で、ここに宿泊のゲストしか入れないプライベートダイニングも用意されている。
もっともアラビックな世界観が感じられる「アラビアンコート」のデラックスルーム。この棟には172の客室があるが、やはり低層仕様、敷地広大のためすこぶる居心地がいい。

 3つの独立したホテルを合わせて「ワン&オンリー・ロイヤルミラージュ」と総称しているイメージ。食事をする段になって、このスタイルの利点に気がつく。それぞれの棟にレストランがあるので、ゲストは16のインターナショナル・ダイニング&バーから好みのレストランを選んで食事ができる!

 コージーなプチホテルは客室数が少ない分、ダイニングの選択肢も少ない。が、このホテルならば、コージーな雰囲気をエンジョイしながら食事は思いのままという具合。さらに気分を変えたくば、「ザ・パレス」の前の桟橋からボートに乗り「ワン&オンリー・ザ・パーム」に渡れば、ミシュランのスターシェフ、ヤニック・アレノの料理も堪能できるという贅沢さだ。

「アラビアンコート」棟にあるアジアンテイストのレストラン「オーゾン」。ランチはスマートカジュルな仕様だが、ディナーはスタイリッシュなレストランとなる。
左:ソムタム、サテ、点心……。おいしいアジアンフードはリゾートの胃には欠かせない。
右:金粉入りのミネラルウォーターって、ドバイな感じ。ノン・アルコールなムスリムにも人気のドリンクです。

2015.08.18(火)
文・撮影=大沢さつき