ミシシッピ川を北に上り、ルイジアナ、ミシシッピ、アーカンソー州を巡る短期集中連載、今回はルイジアナ州の後篇。かつての大農園に立つお屋敷「プランテーションハウス」を訪ねてアイルランド移民の豪奢な祝日パーティを覗き、地元の食材である茹でザリガニの山に驚く、アメリカ南部らしさを味わう旅をご紹介します。

大農園のお屋敷でアイリッシュなパーティ!

ギリシャ彫刻、日本庭園、サファリの動物彫刻が集まっている「ホーマスハウス・プランテーション・アンド・ガーデンズ」の庭園。この豪勢さは南部らしさの象徴かも。

 ニューオリンズから西を目指し、車で約2時間のダローへ。

 今夜は優雅なB&Bに泊まるということで向かった「ホーマスハウス・プランテーション・アンド・ガーデンズ」は、なんと、かつて全米一の大きさを誇ったプランテーションハウスだった。

左:母屋とは別に1棟ずつ独立している宿泊棟。ポーチもついている。
右:南部らしいハチミツ漬けのベーコンは、おつまみにぴったり。

 ちょうどその日は、アイルランドにキリスト教を広めた聖パトリックの命日を祝うセントパトリックス・デー。アイルランド系の現オーナーが催すパーティにもお呼ばれされることに。広大な敷地に、ポセイドンもいればキリンやフラミンゴもいる不思議な庭でのガーデンレセプションからパーティは始まった。

左:参加者はみんな緑で着飾っている。
右:ケーキもこの通り!

 セントパトリックはアイルランドの聖人。緑の大地を誇るアイルランドのシンボルカラーである緑でこの日を祝う。アメリカでもアイルランド系のこの緑にかける情熱はすごい。パーティに集まった人は緑で着飾り、デコレーションも緑。そして食べ物や飲み物まで……。とにかく目に映るものすべてが緑!

左:左のグラスは、バーボン・ウィスキーをベースにミントをたっぷり入れた“ミント・ジュレップ”。そして右の緑の飲み物は……何とビール。
右:トラウトのソテーもハーブで緑に彩られて。

2015.08.13(木)
文・撮影=小野アムスデン道子