若き指揮者バッティストーニとの共演に胸が躍る

左:しなやかで敏捷な指は、左右とも骨折を経験しているとは思えない。
右:モスクワ音楽院の寮は不便なことも多いが「どこでも眠れる体質」で快適に乗り切る。(写真:前康輔)

 5月には、イタリアの「チッタ・ディ・カントゥ国際ピアノ協奏曲コンクール」古典派部門で優勝。9月には二つのオーケストラとの共演が予定されている。イタリアの若手指揮者・アンドレア・バッティストーニと東京フィルハーモニー交響楽団との『パガニーニの主題による狂詩曲』(ラフマニノフ)と、円光寺雅彦指揮・新日本フィルハーモニー交響楽団との『ピアノ協奏曲第1番』(チャイコフスキー)に、大きな注目が集まる。

「バッティストーニは同じ20代だし、どういう指揮者なのか今からとても楽しみです。僕も中学1年生のとき『題名のない音楽会』で、ベートーヴェンの交響曲第7番を指揮したことがあります。僕の場合は『ハリー・ポッター』を見て指揮のコツを学んだのですが。高校時代はミュージカルで主役をやったりして、センターに出ることが好きでした。衣裳を自分で作って、みんなをリードして……そういうことが昔から好きだったんです」

 大勢の人を惹きつける才能は、演奏家としての大きなパワーだ。「不可能なことは何もない」という悠然としたキャラクターには、クラシック・ファン以外の層を巻き込む勢いも感じられる。チャーミングな「魔性のピアニスト」の登場に、音楽界は俄かに活気づいてきている。注目のアーティストだ。

東京フィルハーモニー交響楽団 第96回東京オペラシティ定期シリーズ
会場 東京オペラシティ コンサートホール
日時 2015年9月11日(金)19:00~
URL http://www.tpo.or.jp/concert/20150911-01.php

フレッシュ名曲コンサート
会場 調布市グリーンホール
日時 2015年9月27日(日)15:00~
URL http://www.t-bunka.jp/sponsership/kyo_150927.html

小田島久恵(おだしま ひさえ)
音楽ライター。クラシックを中心にオペラ、演劇、ダンス、映画に関する評論を執筆。歌手、ピアニスト、指揮者、オペラ演出家へのインタビュー多数。オペラの中のアンチ・フェミニズムを読み解いた著作『オペラティック! 女子的オペラ鑑賞のススメ』(フィルムアート社)を2012年に発表。趣味はピアノ演奏とパワーストーン蒐集。

Column

小田島久恵のときめきクラシック道場

女性の美と知性を磨く秘儀のようなたしなみ……それはクラシック鑑賞! 音楽ライターの小田島久恵さんが、独自のミーハーな視点からクラシックの魅力を解説します。話題沸騰の公演、気になる旬の演奏家、そしてあの名曲の楽しみ方……。もう、ときめきが止まらない!

2015.08.10(月)
文=小田島久恵