Magnificent View #640
トーレス・デル・パイネ国立公園(チリ)

(C) Robert Harding Images / Masterfile / amanaimages

 南米チリの南部にあるトーレス・デル・パイネ国立公園は、パタゴニアの自然が凝縮したようなところだ。約2400平方キロにもおよぶ公園内では、草原からツンドラ地帯、山岳などさまざまな気候が見られ、多くの種類の植物が育っている。

 名前の由来となったのは、ご覧の3本の険しい岩峰、トーレス・デル・パイネ。北からデ・アゴスティーニ峰、セントラル峰、モンツィーノ峰と呼ばれ、いずれも標高は2700メートルを超えている。

 山頂は深い雪に覆われ、山麓の湖は氷河から溶け出したミネラル分でターコイズブルーに染まる。ときおり見かけるのは、パタゴニアの大地に棲むアルパカによく似た野生動物、グアナコたち。ここを訪れて目にするのは、自然の美しさと厳しさが隣り合わせにある風景だ。

 訪れる観光客は年間10万人以上。見どころだけを周遊する手軽なバスツアーから、本格的なトレッキングまで、さまざまなツアーが催行されている。

Column

今日の絶景

この広い地球上には、まだまだ知られざる素晴らしい景色がある。思わず息を飲んでしまう雄大な自然、ミステリーにあふれた驚きの奇観、そして、人間の文明が刻んだ偉大な足跡……。ここに、選りすぐりの絶景をお届けします。さあ、ヴァーチャルな世界旅行へと出かけよう!

2015.07.02(木)
文=芹澤和美