この街に「猫博物館」が存在する理由とは?

民族によって住居のスタイルも様々。こちらはオラン・ウルー族の家。

 そのダマイビーチにあるサラワク・カルチュラル・ビレッジは、サラワク州に暮らす少数民族の特徴を伝える、人気の屋外型テーマパーク。

プナン族のコーナーでは吹き矢で的を射る実演が。使い方を習い、挑戦させてもらえます。

 山奥のロングハウスに暮らすビダユー族、“放浪者”という意味を持つ最多数のイバン族、ビーズ刺繍の伝統工芸や弦楽器を操る芸術性の高いオラン・ウルー族、吹き矢で獲物をしとめる遊牧民のプナン族などを、それぞれの民族の建築様式の住居で、生活習慣のデモンストレーションと共に紹介しています。ランチタイムには民族舞踊ショーも披露。クチンからの1日ツアーで訪れるポピュラーな観光スポットになっています。

猫博物館のエントランス。オブジェの猫の目が、どこかイッてる(!?)、ゆるさが持ち味!?

 ちなみに、クチンとは諸説ありますが、マレー語で“猫”を意味します。そのせいか、クチンへ訪れた観光客の多くが訪れるスポットのひとつに、猫博物館があります。正直、サラワク博物館に比べるとB級感は否めませんが、ショーケースに入ったキティちゃんやドラえもん、ある年代以上ならご存知の“なめ猫”が展示されているのをみると、日本人として、気恥ずかしいような、嬉しいような、複雑な気持ちに。

 また、毎年8月第1週目の土曜は猫の仮装行列“クチン・パレード”が開催されます。猫好きには嬉しい街かもしれませんね。

クチンから車で約4時間+ボートで約20分。ヒルトンがオペレートするロングハウスをモチーフにしたロッジ風リゾートへ足を延ばすのも一案。

 クチンの街で多彩な文化に触れ、ダマイビーチでのんびり。あるいはクチンから南へ車で約40分の、森に住むオランウータンをウォッチングできるセメンゴ野生動物センターを加えてみる。さらに日程に余裕があれば、ダム湖畔のバタン・アイに佇むロングハウスをモチーフにしたリゾートに滞在してみる。

 そんな周遊の旅でクチンを楽しんではいかがでしょう?

クチン
●アクセス コタキナバルから国内線で約1時間20分。またはシンガポールから国際線で約1時間30分
●おすすめステイ先 ダマイビーチリゾート
URL http://damaibeachresort.com/

古関千恵子 (こせき ちえこ)
リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/5世紀あまり。世界各国のビーチを紹介する「世界のビーチガイド」で、日々ニュースを発信中。
「世界のビーチガイド」 http://www.world-beach-guide.com/

Column

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2015.06.20(土)
文・撮影=古関千恵子