【次に流行るもう一曲】
NEWS「チュムチュム」

ジャニーズがノンタイアップでも攻めていける理由は?

伊藤 2曲目はNEWSの「チュムチュム」、Twitterでもこのタイトルの響きが癖になると話題になっていました。もうタイトルだけで勝負曲だってわかっちゃいますね(笑)。

山口 インドをテーマにしたラブソングでしたっけ? ジャニーズ事務所は、YouTubeなどネット上の試聴が一切ないのですが、クチコミのランキングRUSHでは、発売前ランキング1位になっています。曲名が功を奏しているのでしょうか?

伊藤 曲名っていうのもあるかもしれませんが、NEWSってノンタイアップで攻めていけるグループなんですよ。だから今回のノンタイアップシングルもファンからの期待値が高くなる。ジャニーズに興味がない人がNEWSのシングルを買うことはそうそうないけど、他のジャニーズグループ担当のファンがNEWSの曲を気に入ってNEWSのシングルCDを買うことはあるんです。だってジャニーズのファンクラブだけでも相当な人数いるんだから、それだけでもヒット曲は生まれますよ。今回のNEWSの攻めに期待! そしてカップリングにはコーライティングファーム(CWF/山口が塾長、伊藤が副塾長を務める「山口ゼミ」〈外部サイト〉修了生による、作曲家チーム)の参加している曲「日はまた昇る」も収録されていますね。

山口 嬉しいですね。4月に熱海市網代でCWF主催で30人ぐらいを集めて行った「コーライティングキャンプ網代」で作った曲です。合宿して1泊2日でつくったデモテープがそのまま採用に繋がってくれると、オーガナイズした甲斐があるというものです。

伊藤 コーライティングキャンプという日本では新しい形のプロダクションがJポップでも証明されたということですね。それにキャンプ自体ワクワクする空気を持っていますからね、これからもドンドンやっていきましょう!

 残念ながらツアー中のNEWSをまだ観にいけていないんだけど、きっと「チュムチュム」のリリース日に近い東京公演ではこの曲も披露されて、東京ドーム全体が“チュムチュム”するんじゃないかな(笑)。楽しみです。

NEWS「チュムチュム」
ジャニーズ・エンタテイメント 2015年6月24日発売
初回盤A[CD+DVD]1,400円、初回盤B[CD]1,300円、通常盤1,000円(税抜)
■NEWSにとってデビューから通算18枚目、4人編成になってからは5枚目となるシングルの表題曲は、インドをテーマとしたプラトニックなラブソング。「チュム」とはインドの言葉でキスを表すんだとか。2015年6月13日(土)・14日(日)には、およそ2年ぶりとなる東京ドーム公演に挑む。
■「チュムチュム」作詞/MOZZA 作曲/TAKA3 編曲/CHOKKAKU
 「日はまた昇る」作詞/einosuke 作曲/take4、瀧口系太(CWF)、斎藤あかね(CWF) 
         編曲/中西亮輔

山口哲一 (やまぐち のりかず)
音楽プロデューサー、コンテンツビジネス・エバンジェリスト。(株)バグ・コーポレーション代表取締役、「デジタルコンテンツ白書」(経産省監修)編集委員。プロデュースのテーマに、ソーシャルメディア活用、グローバルな視点、異業種コラボレーションを掲げて、音楽とITに関する実践的な研究を行っている。著書に『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)、『ソーシャル時代に音楽を“売る”7つの戦略』『プロ直伝! 職業作曲家への道』(リットーミュージック)、『世界を変える80年代生まれの起業家 ~起業という選択~』(スペースシャワーネットワーク)、『DAWで曲を作る時にプロが実際に行なっていること』(リットーミュージック)がある。詳細プロフィールはこちら
Twitter@yamabug https://twitter.com/yamabug
ブログ「いまだタイトル決めれず」 http://yamabug.blogspot.jp/
作曲家育成セミナー「山口ゼミ」 http://www.tcpl.jp/openschool/yamaguchi.html
WEDGE Infinity連載「ビジネスパーソンのためのエンタメ業界入門」 http://wedge.ismedia.jp/category/entertainment

伊藤涼 (いとう りょう)
音楽プロデューサー、ソングライター。「青春アミーゴ」などのミリオンセラーをプロデュース、後にフリーランスに。ソングライターとして、乃木坂46「走れ!Bicycle」、AKB48「ここにいたこと」などの作品がある。作詞アナリスト、フードミュージックプロデューサーとしても活躍。論理的で明晰な分析力に注目。著書に『作詞力 ウケル・イケテル・カシカケル』(リットーミュージック)、山口哲一との共著に『最先端の作曲法 コーライティングの教科書』(リットーミュージック)がある。
マゴノダイマデ・プロダクション http://www.mago-dai.com/
ブログ「伊藤涼の音楽」 http://ameblo.jp/magodai/
伊藤涼が主宰する作詞研究室リリック・ラボ 
http://www.mago-dai.com/?p=778

Column

来月、流行るJポップ チャート不毛時代のヒット曲羅針盤

音楽ビジネスとITに精通したプロデューサー・山口哲一。作詞アナリストとしても活躍する切れ者ソングライター・伊藤涼。ますます混迷深まるJポップの世界において、この2人の賢人が、デジタル技術と職人的な勘を組み合わせて近未来のヒット曲をずばり予見する!

2015.06.13(土)
文=山口哲一、伊藤涼