Magnificent View #615
ジャイサルメール(インド)

(C) Robert Harding Images / Masterfile / amanaimages

 インドのタール砂漠中央部にあるここジャイサルメールは、12世紀に造られた城郭都市。城壁で囲まれた旧市街の中には、宮殿や寺院、民家が立ち並び、中世インドの面影を残している。

 街のまたの名は、ゴールデン・シティ。街じゅうの建物が金色を思わせる黄色の砂岩で造られていることから、そう呼ばれている。特に日没の頃は、街全体が金色に輝いて見えるのだという。

 かつてはインドと中央アジアを結ぶ交易路の中継地にあったジャイサルメールは、最盛期には11万人の人口を擁するほど繁栄した。商人たちは競って、豪華な彫刻を施した邸宅を建てたという。その後、スエズ運河が開通すると、中継地としての役目がなくなり、街は衰退。

 すっかり忘れ去られた街が蘇ったのは、タール砂漠から大量の天然ガスが発見された1960年代のこと。さらに近年は、中世の風情が残る観光都市として有名に。宮殿風ホテルも誕生し、豪華な観光列車も発着している。

Column

今日の絶景

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2015.06.07(日)
文=芹澤和美