島民とツーリストとが島の時間を共有できる

海岸線のすぐそばに立つ6棟のロッジ。夕映えに刻々と表情を変える海を、時間を忘れて眺めることができます。

 一般的なアイランド・リゾートは敷地が外部と仕切られ、地元の島民との関係にも見えない壁があるものです。それがカオハガン島では、垣根がないのです。ホームステイというのとも違って、島民とツーリストが一緒に島の時間を共有する不思議な関係が築けます。

サンドバンクのポントグ。セブ島から1日体験ツアーで訪れることもOK。島民の手ほどきを受けながら貝殻のアクセサリー作りに挑戦したり、風を感じながらマッサージを受けることも。
竹や木材で作ったバンカーボートで海へ繰り出し、その日の食材を得る。あくせくしない島の暮らしぶり。

 マクタン島からバンカーボートで約1時間。島の周囲はごくごく浅瀬のラグーンなので、エンジンを止め、少年たちが竹竿を駆使して船を進めて上陸します。

 島民が暮らしているのは島の東側のラウイスという地区。ぶらぶらと散策すると、洗濯物を干す人や、漁から戻ってきた人など、出会う島民は皆気軽に地元のビサヤ語で話しかけてくれます。

 島の北西にはポントグという美しいサンドバンク(砂州)があり、日除けの小屋が立ち、日帰りのツアー客向けにみやげ物の屋台も出没。島の人々も何かにつけ集まる活気溢れるエリアです。

2015.05.09(土)
文=古関千恵子
写真=カオハガン島