名匠の誉れ高いパティシエから菓子作りを学ぶ

「お菓子は作ったことある?」とクリストフ・メナー氏。
マカロンの生地を絞るのも先生がやると早い。私たちは大きさを揃えるのに必死。
出来上がりは味も見た目もなかなかとみんな自画自賛。ちなみに国家最優秀職人の審査は4年に1度しかなく、超難関とのこと。

 午後から、本来はこれも2日間であるパティスリー講座のさわりを体験する。と、いっても3時間弱でマカロン、レモンタルト、ゴマ風味のディアマン・サブレーを一から作るという鉄人もびっくりな品数。

 講師は、フランス・コンパニョン(世界最高という職人の称号)を持ち、2015年には国家最優秀職人(MOF)賞パティシエ部門の審査員を務めたクリストフ・メナー氏。パティシエとショコラティエの権威ある協会「ルレ・デセール・インターナショナル」のメンバーでもあるというパティシエ中のパティシエという方だ。

 お菓子作りの基本は、レシピ通りの分量や温度をきちんと守ること。例えばメレンゲを作る時に砂糖を加熱するがこれは121℃。この1℃が大事らしい。材料のバターや砂糖の量に驚きながら、レシピに忠実にわれわれ生徒も練ったりかきまぜたり。

さすがソムリエチャンピオン、立ち姿が違います。

 お菓子作りが終わると、ワイン講座の最終段階が待っていた。こちらもフランス国家最優秀職人であり、2000年フランスソムリエチャンピオンでもあるクリスチャン・ペシュートル氏が講師。

テイスティングはこの4種のヴヴレーのワイン。

 威風堂々のソムリエに「すわ試験?」と緊張していると「一日の最後にヴヴレーのおいしい白ワインを、解説を聞きながら飲み比べる」という趣旨でほっとする。ヴヴレーのワインは、シュナン・ブランというブドウ品種のみで甘口から辛口まで幅広いワインを造る。ブドウの収穫時期を遅めにすると糖度が上がるといった基本から、お料理の合わせ方までありがたく拝聴しながら、テイスティングのつもりがおいしくてついつい飲み干してしまう。

2015.05.12(火)
文・撮影=小野アムスデン道子