ワイン名産地のロワールでテイスティングを学ぶ

「ラ・メゾン・ジュール」はトゥール市内の中心にある。

 2日目は、ワインとお菓子というフランスらしいガストロノミー講座を受ける学びの一日。トゥール市内にある19世紀の邸宅の一部という宿「ラ・メゾン・ジュール」に泊まった。

「ラ・メゾン・ジュール」のゲストルーム。このホテルにはお庭もあって、素敵なお家に招かれているよう。

La Maison Jules(ラ・メゾン・ジュール)
所在地 45 rue Jules Simon, 37000 Tours
電話番号 +33-6-8384-7122
URL http://www.lamaisonjules.fr/

 マダムが用意してくれたパンやチーズの朝食を終えて、午前は、ロワール川に沿って広大に広がる名産のワインについての講座から始まる。本来は3日間かけてじっくり学ぶのだが、わがままに体験ということで、講座とランチなどでテイスティング実践、最後にはワイン騎士団の叙任式にも臨むという。

講師を務めるクリストフ・プルトー氏。

 まずは、オノローグ(ワイン学・ワイン醸造コンサルティング)の専門家クリストフ・プルトー氏からロワールのワインの基礎知識とテイスティングのための基本的なテクニックを学ぶ。ロワール川流域のワイン地帯は、パリから200キロのあたりから大西洋岸に至るまで東西に長く広がる。土質も異なる4区域に分かれ、バラエティに富んだワインができるそう。このトゥールの辺りでは、白ワインを産出するヴヴレーなどが有名。

ソムリエ・エプロンを着けてワイン学とテイスティングの講義を受ける。

 講師のプルトー氏はトゥール大学で味覚と行動などの特別専門家に認定されているだけあって、教え方も独特。香りの表現のトレーニングでビンに入った5種類の香りを当てるゲームをしたり、味の変化を感じるためにチョコレートを齧って、前後でワインの味を比較したり。感じ方と表現方法を学んでから、白と赤をそれぞれ3種類、そしてスパークリングのテイスティングをして、講評してもらう。

間口は小さいが、奥まで人でいっぱいのレストラン「ル・オール」。

 その後のランチは実践の場。地元の人で大賑わいのレストラン「ル・オール」の奥に席を取ってもらって、前菜にトゥール特産の豚肉のリエット盛り合わせとヴヴレーの白、メインにはウズラのグリルにシノンとブルグイユの赤とのマリアージュを楽しむ。それぞれ「ふむふむ、この白は、爽やかさの中にリンゴのような果実味を感じます。さらに土のミネラル感も」などと表現を学んだ成果を発表……のはずが、料理とぴったりのワインのおいしさにどんどんグラスが空いてしまうのだった。

左:地元の人でないと見つけられないようなお店「ル・オール」のウズラ料理は、甘辛で日本人の口に合う。
右:先生も合わせる赤を真剣にテイスティング。

Le Hall(ル・オール)
所在地 13 Place Gaston-Pailhou, 37000 Tours
電話番号 +33-2-4761-7176

2015.05.12(火)
文・撮影=小野アムスデン道子