デザートは“富山のフランス”の異名を持つパティスリーへ

 さて、満腹になるまでお寿司を食べたあとは、やはり地元友人推奨のケーキ屋さんへ。「富山にフランスがあるとしたら『ジラフ』しかない」とちょっとわかりにくいがなんとなく伝わってくる推薦のお言葉。車に乗せてもらって住宅街の片隅にひっそりとある“フランス”へ。

上段にあるのがノワールのアーモンドタブレット。

 サロンはお休み中だったので、テイクアウトをして、別の場所で食べようということになった。チョコレート系が特に充実していたので、ここはチョコレートね、と思い、3人で4種類のケーキをセレクト。ショーケースには手を替え品を替えチョコレートのケーキが並んでいるので、やっぱりチョコレートだらけになってしまう。

 ケーキを手に向かったのは、世界一美しいスタバとも言われる「スターバックス 富山環水公園店」。天気が良かったのでここでコーヒーを買い、河原でケーキを食べることにしたのだ。

 しかし、いざ、ケーキを広げてみると、いい天気も絶景スタバもすっ飛んだ。チョコレートケーキたち、おいしすぎる! 軽いチョコレートメレンゲの中に“ねっちり”と言っていいほどいろいろなチョコレートの層が密に重なったもの、アプリコットのクレームブリュレをチョコレートと組み合わせたもの。ミルフィーユの深い深い焼き込みには「なるほど“富山のフランス”!」と膝を打ってしまった。

整然として、チョコレート率の高さを物語る茶色いショーケース。

 この日は、さすがに生菓子を持って帰るのは怖くてアーモンド入りのタブレットを購入して持ち帰った。これがまた「え! なにこれおいしい! なになになに」とワナワナしているうちに一枚食べ終えてしまうくらいおいしかった。よ~くローストしたアーモンドと、結構なカカオ率のノワールチョコレート。それだけなのに、甘さも苦味も厚さも溶け方もとっても完成度が高いのである。思い出してもうっとり♪

今回食べたケーキたち。同じチョコレートケーキでも表情はさまざま。

 というわけで、回転寿司~パティスリーという享楽的なこの道程。自分的にあまりにも完成度が高く、ヒマさえあればすぐにでも再訪したい組み合わせ。北陸旅行のご参考になれば。

廻る富山湾 すし玉 富山掛尾店
所在地 富山県富山市掛尾栄町5-8
電話番号 076-491-1897

パティスリージラフ
所在地 富山県富山市黒瀬北町1-8-7
電話番号 076-491-7050

[2015年2月来訪]

北條芽以(ほうじょう めい)
神奈川県鎌倉市生まれ。情報誌編集者を経てフリーライター、料理本の編纂を行う。好きなのは炭水化物(特にごはん)とお肉の組み合わせ。お酒はあまり飲めない。「左手にごはん茶碗を!」

Column

北條芽以のLOVEレストラン

美味なるLOVEなひと皿を求めてレストランに通う日々。
著者が偏愛する、この季節、このお店のLOVEはいったい何? あなたの次のレストラン選びに参考になること間違いなし!

2015.04.22(水)
文・撮影=北條芽以