LOVE:回転寿司、チョコレートケーキ
誰にも頼まれていない勝手に富山美食案内

富山|廻る富山湾 すし玉 富山掛尾店、パティスリージラフ

金沢篇に長らくお付き合いいただいたあとは、富山についても語りたい。富山こそ、新幹線が通って東京からぐっと近くなった街。いままで、なかなか行くチャンスがなかったのだが、今回友人の導きでとうとう訪ねることができた。そして、満足度が高かった!

お寿司の前に、白えびの唐揚げです。

 一目散に向かったのは回転寿司「すし玉」。以前、某大手回転寿司のお仕事をがっつりとさせていただいたことがあり、以来、回転寿司のオペレーションに並々ならぬ興味を持っている。その仕事のときにも、富山住民からも耳にするのが「富山は回転寿司が旨い」という話。そこで、今回の旅では地元の友人に「自慢の回転寿司に連れて行って!」とお願いしたわけである。

 彼女が太鼓判を押す一店は「すし玉」、それも「富山掛尾店」。「すし玉」は数カ所に店舗があるのだが、なんといっても富山掛尾店なのだそうだ。

ノドグロ(アカムツ)は炙るか炙らないか聞いてもらえる。これは炙っていない方。両方いただいた。

 お店につくとお昼前だというのにほぼ満席。「並んでなくてラッキー」だそうだ。店内はなにせ活気がある。なぜなら、まず、当日のおすすめがボードに書いてあり、最近多いタッチパネル注文ではなく、カウンター内に大勢いる寿司職人に声を出して注文するから(もしくは注文シートに書いて「お願いしまーす」)。そして、回転寿司はレーンの充実度も大切で、こちらではすき間なく寿司がグルグル回っている。

少し赤みがかっている「フクラギ」。ブリより少し鉄っぽい味。

 テンションが一気に上がり、やっぱり観光客らしく、富山らしい「天然ブリ! ノドグロ! 蟹!」。白えびやガスえびまで回転寿司にあるなんて! 地元民おすすめの「フクラギ」はブリの出世途中の名前で、これも東京ではお目にかかれないネタである。興奮して注文しすぎるパターン……だが、突き進むべし。

ブリトロ。キトキトですね♪

 なにしろお魚自慢のこちら。すぐ近くに港があり、目利きがしっかりと選んで直接仕入れられるというのはいくら大手でも難しいだろう。なんと1日2回仕入れているというから、ともかくフレッシュだ。お寿司には仕事をしっかり施しておいしくするという基本的な考え方があるけれど、ここはフレッシュ推しで私たちをよろこばせてくれる。

白子や白えびなど。お皿は金ですが、やっぱり食べちゃいます。

 寿司飯は地元のこしひかりを100%使っていると書いてあった。お寿司でこしひかりというのはあまりないけれど、もちもちふっくらとしてほんのり甘い寿司飯は、もちろん好みである。しかも、回転寿司としてはやや小ぶりなので、いろいろ食べられていいではないか! それから、富山のネタは結構こってりとして甘めなものが多い。そんなネタによく合う、しっかりとしょっぱい醤油が用意されているのもうれしいところ。

 ブリやフクラギはきりりとしたエッジを誇り、脂は甘く、とろけるように寿司飯に馴染む。白えびは手むきと機械むきがあり、手むきを選んだが、ねっとりと極甘。むきたてなので隣のえびとくっついて一体化しちゃうようなことは決してなく、プリッと独立して旨みを放つ。もう季節的におしまいに近づいていた白子やブリトロ……。

 やっぱり北陸の魚は独特の魅力があって、ここではその魅力をまっすぐに力強く味わえる。

肝ものったカワハギ。

 富山・石川の素晴らしい魚をたらふく食べてひとり2,000円ちょっと。いやはや、回転寿司はやはり安いし楽しいし、高級寿司とは違うなにかを満たしてくれるエンタテインメントだなぁ。

2015.04.22(水)
文・撮影=北條芽以