GRAFF
クロスのジュエリー

ペンダント(PT×WG×ダイヤモンド) 3,379,630円/グラフ(グラフダイヤモンズジャパン)※PT=プラチナ、WG=ホワイトゴールドを表します。

 ジュエリーの中でも定番モチーフの筆頭、クロス。しかし、実はひと口にクロスと言ってもサイズやデザインなどさまざまで、印象も随分異なります。

 グラフのクロスは、トラペイゾイドカットという特別なカットを施したダイヤモンドを4石使った、とても贅沢なもの。これを作るために原石そのものの選定からはじめるというだけあり、ダイヤモンドが持つプリミティブな力強さや地球のエネルギーが、このクロスにぎゅっと凝縮されているように感じます。吸い込まれそうに美しい氷のような質感も、透明度の高さがあってこそ。

 もちろんとても高価なものですが、今回私がイメージしたのはスーツやドレスを着た都会的な女性ではなく、素足で大地を踏みしめ、しなやかに強く生きる「野性の美」を感じる女性。クロスという宗教的なモチーフと、ダイヤモンドが本来持っている神秘的なパワーの相乗効果で、神々しいほどのオーラを感じます。グラフのクロスは、古くからお守りとして珍重されてきたジュエリーのルーツを思い出させてくれるのです。

ワンピース(インナー付き) 110,000円/フォルテ フォルテ(コロネット)

グラフのクロスは台形のトラペイゾイドカットのダイヤモンドを4石使用。これはグラフを代表するカッティングで、他のジュエラーには真似できないとされるほどスペシャルな技法。このカットを施すために、まずは選りすぐりの原石を見つけるところからスタートしなければならないという。原石のサイズによってクロスの縦横の比率も異なるので、全く同じものは存在しない、まさに唯一無二のクロス。

伊藤美佐季(いとうみさき)
ジュエリーディレクター。30代でイタリアに遊学、帰国後スタイリストに。ジュエリーや洋服のスタイリングのほか、ジュエリーに関する講演なども行う。

Column

伊藤美佐季のジュエリーのある人生

ジュエリーディレクターの伊藤美佐季さんが指南する、大人のためのジュエリーの選び方と、つけ方のエッセンスを連載でお届けします。

2015.04.20(月)
photographs=Masashi Ikuta(makiura office)
styling=Misaki Ito
hair=ABE(M0)
make-up=FUSAKO(ota office)
model=DORA
text=Miwako Yuzawa

CREA 2015年5月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

10年、ずっと好きなもの

CREA 2015年5月号

センスのいい人のショッピングマニュアル
10年、ずっと好きなもの

定価780円