Magnificent View #567
メムノンの巨像(エジプト)

(C) Robert Harding Images / Masterfile / amanaimages

 ルクソールのナイル川沿岸にある2体の像は、古代エジプト第18王朝の第9代の王、アメンホテプ3世が、紀元前14世紀に自らの姿をかたどって造らせたもの。もともと、像の後ろには彼のための葬祭殿があったが、後の王によって破壊され、現在は巨像だけが残されている。

 それにしても、なぜ、アメンホテプ3世の像に、エチオピアの英雄メムノンの名がついているのか。それは、紀元前の不思議な現象に由来する。向かって右側の巨像が、朝方になると泣き声のような音を発していたため、「トロイ戦争でアキレウスに討たれたメムノンが、母に悲しみの挨拶をしているのだ」と考えられていたのだ。

 珍しさのあまり、たくさんの人が見物に押し寄せ、当時のローマ皇帝まで見学に来るほど話題になったが、その後、ローマ時代の修復により泣き声は聞こえなくなったという。結局、奇妙な音は、地震によってできたヒビと、明け方の温度差や朝露の影響により、発せられていたものだとされている。

Column

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2015.04.20(月)
文=芹澤和美

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