フランスからの贈り物、バインミー

今風にアレンジされたベトナムの人気料理バインミー。

 米麺フォーにならぶベトナムのソウルフードといえばバインミー。バゲットに肉やパテ、なますや香草をはさみ、ベトナムの醤油をふりかけたベトナム風サンドイッチです。日本から訪れる旅行者も必ず一度は口にする人気メニューですが、その味は結構あっさり。「毎朝バインミーでいい!」と言う人もいるほど飽きのこない、日本人好みの味となっています。

昔ながらのバインミー屋台。
目玉焼き入りの場合は、その場で卵を焼いてくれる。

 ベトナムのパン食文化はフランス統治時代に広まったと言われていますが、その後、独自の進化を遂げ、今ではひとくちにバインミーと言ってもさまざまな種類があります。ちなみに“バインミー”とは、サンドイッチだけでなく、パンそのものも表す言葉。そのバインミーという単語の後ろに“ティット(肉)”、“オプラー(目玉焼き)”、“シウマイ(焼売)”など、中に挟む具材の名前をつけることで、サンドイッチを指すこととなり、好みの味をオーダーできるのです。

 そんなバインミーですが、味の決め手はやはりパン。ベトナムのバゲットは、小麦粉のほかに米粉をまぜて作ることがあり、外はパリパリ、中は空気を多く含んだふんわりとした食感になっています。そのため口当たりも軽く、女性でも大きなバゲットを1本ペロリと食べられてしまいます。

文・撮影=杉田憲昭