おいしさの秘訣とレシピを大公開

左:味見で出してくれた創作料理。香味野菜とエビの旨味が見事にマッチした芸術的な一皿。
右:笑顔がとってもキュートな若きシェフ、エンティアーナさん。

 レストランのコックたちを束ねる料理長を務めるエンティアーナさんは、笑顔がキュートな、明るく気さくな女性。コックになったきっかけは、意外にも、はじめは収入を得るためだったそう。まだ駆け出しのコックだったころに出会った女性シェフが作るパスタのおいしさに魅せられ、料理を作る楽しさに目覚めます。その後、フランスでも活躍したイタリアンシェフの創作力あふれる料理に感銘を受け、料理にのめり込んでいったそうです。勉強と研究を重ね、素材に、料理に真摯に向き合い続け、今の彼女があります。

左:トスカーナ地方の名産キアーナ牛を使ったリッチなおいしさのハンバーガー「トスカーナ」。
右:オリーブオイルのジェラートとなすを使った創作デザート。美しい盛付け、やさしい味わいには、女性らしい繊細な感性が。

 料理を作る時には、初めからアイディアを持って作るのではなく、その素材がもっているおいしさをイメージの中心におき、それが活きるように組み立てるのだそう。高級食材を使ってリッチな味を演出することもできるけど、豊かに育った食材は十分においしく、簡潔にそのおいしさを表現した方がいいのだと彼女は言います。なるほど、彼女の料理が体になじむようにやさしく、誠実なおいしさなのはそこからきているのですね。

レシピを教えてもらった「パレルモ」。白身魚と野菜を旨味たっぷりのトマトソースでいただく一皿。

 さて、そんな彼女がレストランで出している料理のレシピを教えてくれました。「パレルモ」と名付けられたこの料理は南イタリアのシチリア島をイメージした料理。私にも作れる? と聞くと、大丈夫よ、簡単だから、と。さて、レシピを見てみれば、少し手間はかかりますが、難しくはないのですね。みなさんもぜひお家で本格イタリアンをお試しください。

「パレルモ」のレシピ

【材料】(2人分)
・白身魚:250g
・なす(小ぶりのもの):1本
・ミニトマト:500g
・トマト:500g
・ジャガイモ:2個
・レモン汁:1/2個分
・にんにく:1片
・ケッパー:小さじ1
・バジル、タイム、オリーブオイル、塩、胡椒:適量

【作り方】
(1) 白身魚は食べやすい大きさに切ります。
(2) ジャガイモは皮を剥き、厚さ1cmの輪切りにし、下茹でしておきます。
(3) なすを縦に2等分し、塩、胡椒で下味をつけておきます。
(4) レモン汁、刻んだバジルとタイム、オリーブオイル(大さじ1)、塩、胡椒を混ぜ、ソースを作ります。
(5) (1)~(4)の材料を鍋に全て入れ、蓋をし、弱火で10分ほど煮ます。
(6) トマト、ミニトマトを角切りにし、にんにく、オリーブオイル、バジル、塩を加え、別の鍋で15分ほど煮ます。
(7) (5)を熱したフライパンに移し、さっと焼きます。
(8) オーブン皿に(6)のトマトソースの半量、オリーブオイル、ケッパーを入れ広げます。そこにジャガイモを並べ、その上に白身魚を並べます。空いたスペースになすを並べ、残りのトマトソースを全体にかけ、手でちぎったバジルを散らし、オリーブオイルをふりかけます。
(9) 180度に熱したオーブンで6~7分焼き、出来上がりです。

SE・STO on Arno
所在地 Piazza Ognissanti 3, Firenze, Italy
電話番号 +39-055-27151
URL http://www.sestoonarno.com/
※ホテルThe Westin Excelsior内

藤原亮子 (ふじはら りょうこ)
イタリア・フィレンツェ在住フォトグラファー&ライター。東京でカメラマンとして活動後、'09年、イタリアの明るい太陽(と、おいしい食べ物)に魅せられて渡伊。現在、取材・撮影・執筆活動をしつつ、イタリアの伸びやかな景色をテーマに写真作品も制作中。イタリアでの日々をつづったフェイスブック https://www.facebook.com/chococogogo

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文・撮影=藤原亮子